木屋/ 薬味寄せ
一家に一個
おろし金、擂鉢のお伴
木屋の薬味寄せ
生姜をおろし酢の物にちょんと乗せる。おろしニンニクを餃子のタネに混ぜる。ゴマを擂ってきんぴらごぼうにかける、卓上で薬味として添える。ざっと考えただけでも、日々料理をしていくなかでの「擂る・おろす」という仕事の様がいくらでも簡単に頭に浮かんでくる。手間といえば手間なのだけれどやはり擂りたて、おろしたては香り良く断然美味しいのだから目に見えて結果が得られるわかり易く気持ちのいい良い手間だ。特に東屋の擂鉢を使い出してからは擂りたてのゴマの美味しさに開眼しいよいよやめられなくなっている。東屋の擂鉢を使うようになってしばらく経った頃、東屋の社長から「擂鉢使うなら必要でしょ」と1つ手渡されたのがこの薬味寄せ。木屋の新しい道具だった。そう言われて初めて今までの小さな不便を意識した。当たり前の事かなって実は気にもしていなかった事に、そこで気付く事になった。おろし金に絡まったショウガを菜箸でずっとカリカリこそげたり擂鉢の溝に入り込んだゴマをもったいないと思いながらも束子を使って洗い流していた。まぁ普通はそうなる。でも、そうか。この薬味寄せを使えばいいのか。使う前から何だか少しスッキリした気分になった。これはいい。そしていざ台所に持ち込んでみれば思いのほか出番は多かった。特におろし金と一緒に使う事が多い。日本料理以外でもおろしニンニク、おろしショウガは良く使うのだから当たり前か。使い心地は、ひと掻きで綺麗に!という訳ではなくて、チャチャっと搔けば大体取れる。そんな具合なのだが、それがまた完璧過ぎず、現代のハイテク感を全く感じない良い塩梅なのだ。使い心地が良いというのはこういう事なのかもしれない。これがあるとないとでは勝手がまったく違う。格段に後片付けも楽になったし、食材を無駄にしないという気持ちよさも加わった。もはやおろし金、擂鉢を使う時は一緒に取り出す癖になる程だ。こういうチョットした道具は沢山いらないし単価も安いので作る方としてはなかなか得る物が少ない事だと思うのだけれども使う方としては実にありがたいので心より木屋に感謝である。
産業構造デザイン
生産の過程が新しい
食にかかわる物、口に入る可能性がある物は自然の素材であって欲しい。道具が化学製品だったら、それらは少しづつでも削れていくのだから食べているって事になるわけで毎日の事と考えると怖い部分がある。だから化学より自然、つまりプラスチックより木や竹、土だろう。この木屋の薬味寄せ、素材は奈良の竹を使っています。奈良県生駒市、茶筅の産地として有名な土地で作られています、と言えばピンと来る人もいる?あのお抹茶を点てる茶筅というのは非常に綺麗な道具なのだけれど茶筅の少しカールした繊細な先が、一本でも折れてしまえば、売り物にならなくなってしまうのです。そこでそういったB品や製造時に出る端材を利用し、この薬味寄せは作られています。改めて形を見ればなるほど、と気付く事でしょう。これまでは使い道もなく燃やしてただ処分されていた端材や失敗作、そこに目を付けて薬味寄せへと生まれ変わらせる。新たな物作りの流れが生み出されました。そのアイデアと目線、まさに天晴!感心しきりです。
- ブランド
- 木屋(きや)
商品スペック
- 材質
- 竹
- 寸法
- W20mmxH80mm / 約3g
- 生産
- Made in Japan