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ラインナップ
Artek (アルテック)  KirsikankukkaArtek (アルテック)  Kirsikankukka

Artek / Kirsikankukka

桜模様、キルシカンクッカ
染色は京都にて

日本とフィンランドの外交関係樹立100周年、それを祝うに相応しいテキスタイルが、それに相応しい手法で染められ、2019年4月発売となりました。この1枚の布が僕を大きく変化させる新しい一歩となる、そんな予感がしちゃっているぐらいに、素晴らしい。これまでスコープでは、LehtiからのA.A.ファブリックと、アイノ・アアルトがデザインしたテキスタイルを別注し、復刻を続けてきたわけですが、この新しい方向での布作りが実現してしまった今、既に作った別注色柄、つまりはLehtiやA.A.に関しても、いつかこの新しい方向で染め直してみたい、作り直してみたいと考えているほどですから。それぐらい、このキルシカンクッカは良い仕上がり、素敵なる完成度を見せていまして、これまでとは少し毛色が違っている。アルヴァ・アアルトとアイノ・アアルトは1933年頃、駐フィンランド公使館一等書記官の市河彦太郎、かよ子夫妻と出会い、アイノ・アアルトはかよ子夫人から桜の花をモチーフにした絹の生地を贈られました。アイノ・アアルトは、その時の喜びと日本のテキスタイルデザインへの敬意から、桜の花をモチーフとしたキルシカンクッカ(フィンランド語で桜の花の意)をデザインします。

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当時の現物を僕は見たことなく、本から見知った布だから、当時の現物を手にしてみたい気持ちも強くあり、フィンランドの知人にかなり探して貰ってはみたものの、流石にこれは見つからなかった。切れ端のようなサンプルであっても入手が難しいのだから、アルテックもこの復刻はかなり難儀したことだろう。そして今回の企画は単に過去の名作を復刻した、というだけの話ではなく、新しい一歩を踏み出していて、これまでと生産手法が大きく異なっている。なにせ京都にて手捺染で染められているのだから。ハンドプリントにより生まれる仕上り、雰囲気の違いを言葉にするのは難しいのだけれど、布と柄が馴染み、より日本的になったように僕の目には映っている。アイノ・アアルトがデザインしたテキスタイルは日本的要素を含んでいるのだけれど、この布はもう一層、製造面からも日本っぽさ、日本の雰囲気をまとっている。だから日本の生活によく馴染むし、今まで手にしてきたフィンランドの物物と僕らの物物、そして日日の生活を橋渡ししてくれる。外交関係樹立100周年に作られた布として、出来過ぎていると思う程に素敵布だから、是非とも手にして生活に取り入れてみて欲しい。古いようで新しいアイノ・アアルトの2019年キルシカンクッカは、今の僕らの生活、スコープ的生活にとてもよく馴染むのだ。こういった布が出来てしまうと、やはりこんな方向で布を作りたいと考えてしまう。

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何かしら独自路線を進みたがるスコープ、今回も特別色を別注してます。ネイビーより淡いピンクとベージュにて。桜だからピンクというのも安直な発想なんだけれど、やはりキルシカンクッカの桜色は作ってみたくなる。王道はやっておこう。そしてベージュはスコープ好み、渋好みってヤツ。ただ濃色ネイビーでは目立たなかったプリントの重なりが、別注色のベージュやピンクでは目立っている。(ピンクはアイロンかけてる写真、ベージュはパラティッシプレートとの写真をご参照あれ)手捺染の現場を撮影した動画を本ページにアップしているので、それを見たらわかって貰えると思いますが、版を使って柄をプリントしていくと、プリントの重なりがどうしても生まれてしまう。隙間ができて白線となるより、重なって濃い部分がある方が良い。だから重なる方向を選びます。その重なりも技術が進歩し機械生産が進めば精度も上がり、重なりは小さくなり、目立たなくする方法も考案され、より綺麗にプリントできるようになって今なのですが、綺麗になり過ぎると逆につまらなく感じてもしまう。一部の人だけかもしれないけれど、手仕事により生まれる重なりがイイんじゃないって、そんな事を思うわけです。ヴィンテージのテキスタイルを見ていれば、よく見かける重なり、最近の布ではあまり見かけない(目立たない)部分でもある。マリメッコの古い布を眺めながら、この重なりがいいんだよねーナンテいってるヤツですね。宙吹きグラスの表面の揺らぎであったり、手でカットしたグラスにみられる口元のちょっとした傾斜、オイバ・トイッカのバードやポムポムにある、造形していく過程で生まれる道具跡、そういった手仕事ゆえの跡というのは悪くない、いや、むしろそこに価値を感じる。手仕事をアピールするかのような大袈裟な跡、故意の手跡は不自然であるから魅力はないのだけれど、その手跡を最小限にとどめようとしながらも生まれてしまう、そんな部分に手仕事により形作られた物の暖かさというか、魅力がある。『この重なりマズイですかね?』と工場で聞かれた時、僕は『その重なりがいいんじゃない。』って即答していた。

Artek (アルテック)  Kirsikankukka

手捺染だから
生地幅は狭い

キルシカンクッカの生地幅は114cm、一般的なインテリアファブリックは150~160cmだから幅が狭い。何故こうなるのかといえば、手捺染だからで、何故手捺染だと生地幅が狭くなるのかといえば、その理由は動画を見て貰えばわかるでしょう。あまり幅広の布は作業台に貼れないのです。昔は、作業台の幅を広げて、160cm幅の布を貼れるようにすれば、インテリアファブリックサイズであっても手捺染で作れるんじゃないか?と安直に考えていたのですが、撮影時にキルシカンクッカの手捺染を僕自身体験しまして、それは無理だということを身をもって知ることができた。手が届かないし、届いたとしても力も必要だから幅には限界がある。(とはいえ、方法は無いわけではないようですが)手捺染故、114cm幅となりましたキルシカンクッカなんだけれど、この幅も悪くないなっていうのが使っての感想。特にテーブルクロスにすると114cmでも十分な幅なのです。テーブルの奥行き75cmでしたら両端に19cmぐらい落ちますから、そのバランスが良い。ちなみに撮影で使っているテーブルはアルテックの81Bテーブル(120cm×75cm)。テーブルクロスとして使い易いサイズではないでしょうか。ちなみに撮影で使っているテーブルクロスは、撮影時にチクチクと手縫いしました(両端のみですが)。慣れないことでもやってみるとできるもの。両端の短辺を縫うぐらいでしたら簡単にできる。やるか、やらないか、それだけのこと。

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風呂敷を愛用し
無駄を使い捨てを
なくしていきたい

日本で布を作り、そこから生まれる仕上り品となれば風呂敷か手拭いか。手拭いはウスタヴァスツールのオマケに、アルテック定番のネイビーに関しては風呂敷が製品としてラインナップされた。でも、スコープでの布製品の取扱は生地売りを基本としていて、自分で縫えばいいじゃないかの考えが強い。だからスコープ別注色のベージュとピンクは風呂敷を作る予定をしていなかったんだけど、インスタグラムにポストした前出し情報では、風呂敷への反応が素晴らしく良かったし、実際にネイビーの風呂敷を販売してみると、素晴らしい人気品となったから、げんきんではあるがベージュもピンクも作ることにした。僕自身、日々風呂敷を愛用しているか?といえば、まだそうでもない。でも、よく考えてみれば風呂敷はスコープに合う日用品だ。風呂敷のような大きな布は世界中で古くから愛用される日用品であり、使い道は膨大。素材みたいな道具なのだから当然か。使わなくなった毛布を風呂敷に包み高い位置に収納し、手土産のお菓子を風呂敷に包んで持参し、お菓子を渡して風呂敷は持ち帰れば、贈る側も受け取る側もゴミが減っていい。贈答品のお菓子を買う時にもエコバッグに入れて持ち帰る事ができるのだから、紙袋を必要とせず無駄がない。そうか、無駄を無くす、使い捨てを無くすが風呂敷か。もちろん出張や旅行の時に衣類をまとめるのにも良いし、スーツケースを開いたまま置いておくのであれば、風呂敷をかけて置けば埃避け、目隠しになる。それはスーツケースに限らず色々なシーンで役に立つ使い方で、四角い大きな布の使い道はどこまでも広がっていく。風呂敷を幅広く活用するというのは、無駄やゴミを減らす、脱使い捨てというスコープ的思考にマッチするから、これから積極的に作ると使うに取り組んでみることにする。そしてそれは京都製のフィンランドデザイン『キルシカンクッカ』から始まるのもスコープらしくていい。風呂敷を幅広く活用し、無駄を、使い捨てを無くしていきたい&いきましょう。

ブランド
Artek (アルテック)
デザイン
Aino Aalto (アイノ・アアルト)

Q&Aのログ

  • スコープでキルシカンクッカの風呂敷を洗濯してみました。乾燥機は使わず、洗濯→ 脱水→ 部屋干しをしてみた感想ですが、〈乾きやすい〉〈シワになりにくい〉というナイスな結果でした。同じコットン100%でも素材が違えば、エコバッグのようにアイロンをかけてもシワがとれない物もありますし、手ぬぐいのように、干すときに形を整えて干さないとクチャクチャになる物もありますが、この風呂敷に関しては、脱水してそのまま干してもシワになりにくいようです。ノーアイロンで大丈夫です。ただひとつ、紺地なので他の洗濯物の繊維が付くと目立ち易いので、細かい目の洗濯ネットに入れて洗うと良いと思いますよ。スコープ酒井

商品スペック

材質
コットン100%
寸法
コットン生地:巾114cm(ミミ含む) 柄の見え方
風呂敷 小:50×50cm
風呂敷 大:90×90cm
生産
Made in Japan
備考
洗濯水温 : 40℃以下 / ドライクリーニング : ○ / タンブル乾燥 : × / アイロン : 高温 / 漂白 : ×