茶箱
木箱と布で物を運び、保管する。
宅配便の荷物、沢山のダンボール箱の中に送り状の貼られた小さな木箱が一つ、そこに含まれていた。開けてみると中には紙と布で丁寧に包まれたお皿が一枚。商品開発用に届いた古物だった。そのお皿を後日、同じく紙と布で包み、届いた木箱へ納めて送付元へと返却したのだけれど、その時の事を今でも度々思い出す程、それは僕にとって新鮮な感覚、心地よい体験だった。ゴミになったのは送り状ぐらい。しっかりとした良い物を使えば、何度も使う事ができ、資材の無駄使いもない。実に気持ち良い、しみじみと心に染みた。その時から、僕の中で商品を布で包み届けたいという考えが広がっていく。そしてスコープも撮影の度に多くの備品を梱包し箱へ詰めて移動させるのだけれどダンボールやプチプチで、それを行うと出来る限り再利用はしていてもすぐにゴミとなる。軽い物はゴミになり易い。それでスコープでの取扱いとは関係無く、東屋の茶箱を撮影備品の移動と保管に使ってみる事にした。杉材を使った木箱。内側はトタン板が貼られ密閉性に優れ湿気、匂い、そして虫から物を守る。そしてとても丈夫。そもそも、茶葉を運び、保管するのに使われている箱なのだから、その辺は説明なしに茶箱という名だけで十分に信頼できる。さぁ、実際に使い初めてしまったら、手放す事の出来ない物となってしまった。木材を使った箱だから、その辺にポンっと置いてあっても絵になる。安い物ではないから、見た目も安くない。非常に丈夫だから積み重ねもできる。運ぶには少々重量があるけれど、壊れる事もないからゴミにもならない。そんな茶箱との付き合いも長くなってきたある日、突然取扱いもしようと決めた。それは撮影合宿を行うために、調味料やらなんやらかんやら、料理に必要な材料を丸っと運ぶのに、茶箱を使った時だった。
5、10kgは台所や身の周りの小物の整理
細々とした物の置き場所にどうぞ。
作業台の上に雑然と並べられていた調味料やスパイスの瓶をどれもこれも5kg平に詰め込む。醤油や味醂、酢などの背の高い瓶類は5kg深に、キッチンタオルや布巾などの布物は10kg平に、昆布、鰹節、ストックの砂糖や粉類などかさ張る袋物は10kg深へ主に詰め込んだ。どれもかなり入る。そして撮影場所へ移動させた。5kgの小さな茶箱はキッチンに置くだけ。調味料などを入れる箱としてそのまま使う。平型はキッチン卓上、深方はキッチン壁際に床置き。すぐ使える場所に調味料類がまとまっていると料理中バタバタしていても、さっと手に取れる。出しっ放しにしておきたい物がまとまっているのは勝手よく、家を長くあける時にも蓋をするだけ。とても便利で気に入っている。少し大きな10kgについてはドンと床に置きキッチン収納として5kg同様、日々活用した。面積が広いので上に物も積める。場所に余裕があれば良い使い方だと思う。深型は高さもあるので、一時的に物を置いたり作業台のように使う事も出来る。撮影合宿の時は、野菜かごを上に乗せていた。この5kgと10kgの茶箱を台所で使うと場がスッキリする以上に、全体の眺めが良くなる。日々の景色の良さも茶箱を好きになる理由だろう。何個でも欲しくなり、何でも茶箱にしまいたくなる。無論、塗装、防水が施してあるわけもないので、汚れる場に置けば汚れ、濡れる場では濡れる。使い方、使う場所は、使う人次第です。濡れたらどうなる?汚れたらどうする?それは拭こう。それでも心配なら別で使おう。シンプルな箱だから考えを巡らせれば、使い処はいくらでも見つかるでしょう。ただマニュアルがないと言うだけの事です。古物入に10kg深、特にお気に入りの使い方。
20、40kgは収納箱として
冬服をしまう、夏服をしまう。
ただし深型は入れ過ぎると重いよ。
20kg、40kgサイズについてはやはり、茶箱の日常生活における王道、衣類収納として使う、これでしょう。冬服をしまう、夏服をしまう。プラケースをやめて茶箱にしまう。スコープ調べではありますが和な押入れで使うのであれば40kgサイズ洋なクローゼットであれば20kgサイズがピッタリと来ます。隙間なくピッチリではなく適度な隙間があり、押入れとクローゼット、そこで使い易いように採寸したかのような、絶妙なサイズです。※念のため採寸はしてね。さて、どれぐらい入るのか、以下実際に詰め込んでいました女子スタッフレポートを参考までに。
衣類と20kg-------------------
《20kg平 詰込レポート1》
セーター・ニット×10枚、
《20kg平 詰込レポート2》
ショール×4枚、マフラー×6枚
靴下×3足、手袋×2つ、帽子×1つ
《20kg深 詰込レポート1》
女性ものセーター・ニット×10枚
男性ものセーター・ニット×5枚
女性ものだけなら20枚以上はいけそう
毛布類と40kg------------------
《40kg平 詰込レポート1》
クリッパン ブランケット シングル × 1枚
エコラ スロー シングル × 2枚
ラプアン ショール ウィズ ポケット × 1枚
クリッパン ブランケット ミニ × 1枚
エコラ 膝掛け × 1枚
《40kg深 詰込レポート1》
エコラ スロー シングル×2枚
エコラ ブランケット シングル×2枚
クラウス ブランケット×1枚
クリッパン ブランケット シングル×1枚
クリッパン ブランケット ミニ×1枚
ショールウィズポケット×1枚
40kg深のサイズまでになると、
もはやレポートでは
伝わりにくい?くらい大容量。
感じ的には4人家族分の
スロー、ブランケット、ひざ掛けの類は
入るだろうなな印象。
しっかりした木箱だから、上に物を置き、積み重ねても良いですし更に防虫や湿気対策にも効果あり。もとはお茶屋で使われていた深型の茶箱。それを海苔屋さんで使おうと形を変えた平型。僕らも少し頭の中で思考を巡らせれば色々な使い方が生活の中、部屋の隙間にそれは沢山、いくつも見つかるでしょう。平型からラインナップし実際に使ってみると深型が欲しいという場面がちょいちょいあった。特に5kg、10kgについては、深型も欲しい。ただ20kg、40kgについては、深型に物を詰め込み過ぎると腰が抜ける程の重量になるのでご注意を。あまり動かさず使うか、かさ張るけど軽いブランケットの収納に向いてます。
2022年2月16日
終わる時には終わるんだけど
静岡県藤枝市の土屋製函所さん。長らく茶箱の製造を続けてくれましたが、流石に87歳となり、これ以上続けることは難しいと判断され、昨年末に廃業を決められました。そして、その6ヵ月前にスコープは倉庫の拡張を決めました。関係のない2つの決定事項なのですが、広くなる倉庫の中に茶箱製造の場を設けスコープで茶箱製造を引き継ぐのはどうだろう?というアイデアが生まれ、とりあえずやってみよう!そんなプランが現在進行中です。昨年11月からスコープスタッフが藤枝市にある土屋製函所で修行を積み、本年からメンバーを4名に増員しまして土屋さんの工場をお借りして定期的に茶箱製造を試みています。そこで土屋さんに直接指導して貰うことで完成度を高めていく予定です。そして土屋さんからもOKをいただけるクオリティで茶箱が作れるようになりましたら、スコープ倉庫内にスコープ製函所が誕生し、スコープ製茶箱の販売が始まる!かも?しれない。実際どうなるのかわからない話ですが、コレが長らくボンヤリお伝えしていました《スコープの2022年は倉庫が広がり物作りが始まる》その一部ですから、うまくいくようどうか願っていてください。(シャチョウ)
2022年7月6日
巣立ち、引き継がせていただくもの
2022年6月吉日、静岡県藤枝市、土屋製函所での茶箱製造がとうとう幕引きとなりました。土屋さんが先代から使われていたという機械や道具たちを引き継がせていただく事となり、梅雨の晴れ間を縫って、引っ越しを行いました。今までありがとうとこれからもよろしくねの気持ちで、土屋さんたちと一緒に磨き上げ、大事にスコープ倉庫へと輸送。余った材も板一枚・釘一つ無駄にすることなく綺麗にまとめ上げ、頂いて帰りました。丁寧な仕事をされる土屋さんらしさは最後まで一貫したものでした。そして、私たちが土屋さんの傍で茶箱の研修をさせていただくのもここまで。岐阜倉庫のすぐ近くに家具工房兼茶箱工房として工場を借りられることになり、手入れをして、とうとう私たちの場所が始動します。茶箱に使う材料もこれからは自分たちで手配をして、製作が始まります。土屋さんからスコープ製茶箱に『合格』をいただけるその日を目指し、ここからがまさに正念場。まだまだ道のりは険しいですが、スコープ茶箱チーム、頑張ります!(スコープ熊澤)
Q&Aのログ
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ブランケット3枚が入るサイズは?お米20kgを入れるにはどれ?キッチンストックに丁度良いサイズは?など多くいただく質問にお答えするべくスタッフが調べたブログを参考にしてみてください。
体積を求めて、茶箱のサイズを決める。
商品スペック
- 材質
- 茶箱:杉、トタン、紙、正麩糊
- 寸法
- 平 5kg:約W350×D245×H140mm(内寸:W300×D200×H110mm)/ 2kg
平 10kg:約W425×D295×H180mm (内寸:W375×D250×H150mm)/ 2.5kg
平 20kg:約W515×D365×H215mm (内寸:W470×D320×H185mm)/ 3.5kg
平 40kg:約W680×D435×H280mm (内寸:W630×D385×H250mm)/ 5.5kg
深 5kg:約W350xD245xH270mm(内寸::W300xD200xH235mm)/ 2.5kg
深 10kg:約W425xD295xH330mm(内寸:W375xD250xH295mm)/ 3.5kg
深 20kg:約W515xD365xH405mm(内寸:W470xD320xH375mm)/ 5kg
深 40kg:約W680xD435xH495mm(内寸:W630xD385xH455mm)/ 8kg
- 生産
- Made in Japan
個別販売商品
個別販売とワケアリの考え方 (必読)
個別販売というのに燃えています。バードなどに取り入れている全て個体撮影をしちゃいますよ的な甘栗むいちゃいました的なやたら手間の掛かる手法なのですが、物によっては、その激しい個体差を「どうぞ味としてお楽しみください」の一言で片づけるには少々強行突破過ぎますよね~と僕は感じますからチマチマと個別に撮影をしましてそれぞれの味をじっくり噛みしめこれと思う、我が味をピックアップ!最も気に入った個体を迎え入れるがベスト電気!を可能とするべく日々精進しております。そして、これから徐々に対象商品の幅を広げていこうと考えてますから、ここで一度、個別販売と訳ありについての考え方を説明しておきます。実は個別販売をスタートするまでに紆余曲折し現在の形に至っています。最初は少しでも好みの物をお届けできればと、系統分けをしまして、ワケありも同時販売で進めましたがその区分をしている時に、ん!?と気づいた事があったのです。その系統ワケ、ワケありの区分。その区分が人によって全く違う、全然違ってくるのです。僕にとってはワケありであっても別の人にはワケがない。むしろ、それがいいんじゃないとなり、逆に僕の選んだ物の方がイヤだとそんな事が多発してしまいました。そりゃそうですよね。みんな好みは違いますから。それで全在庫を個別撮影し全てから好きな物を選んでもらう個別販売をスタートしました。つまり系統分けもなければワケありもない、区分が何もない。多くの方がストックから好みの物を選び、手にできるようになったからそれは素晴らしい事ですが、当然、選ばれなかった物は残ります。段々と皆に選ばれない物、つまりは多くの人にとってワケある物の集合となっていきます。だから、その選ばれない物を選ばれない真の「ワケあり」として少し価格を落としましょうかとそんな仕組みとすることにしました。とはいえ、これはシエッポ発売時に気付いた事でシエッポ第一弾やアルエの発売時にはそれを伝えて販売開始しているので、それなりに共有できているとは思いますが今後は個別販売全体に取り入れていきますから、ここで皆さんにもう一度説明をしてみています。個別販売はとても素晴らしい。素晴らしいのですけれども残る物はずっと残り続けます。そしてそれが降り積もっていけば残り物の塊になってしまいます。それを常にリフレッシュしないとこの個別販売の企画は続かない。だから定番バードも在庫が少なくなってくると入荷するのですが、その入荷するタイミングで残っていた物は少しお手頃にする。そんな仕組みにしたいと思います。そうしないと選ばれない物の集合体になってしまいますから。ですから、ワケアリでもいいからお手頃に買いたい!って人はズバリ!待ってればいいんです。売り切れなければ価格が落ちます。残り物には福がある、ですしね。そして案外、大きなガラス作品はあまり完璧ではない荒れた作品の方が、いい味を出していたりもしますからねぇ。ただ完売してしまったらゴメンナサイですが。その値下げという事を今まで殆どやらずにいましたから今後はそのように進めていきます。
茶箱