iittala / Sarpaneva キャセロール
ティモ・サルパネヴァの鍋
持ち手に大きな価値がある!
スコープ的視点でみましたら、フィンランドのデザイナーはオイバ・トイッカと石本藤雄先生が中心にいらっしゃいます。そしてオイバ先生や石本先生が話してくれる物語に登場するデザイナーがその周りを占めます。だからカイ・フランクやカイピアイネンが目立った存在となり、ティモ・サルパネヴァとの話はあまり聞いた記憶がないものですから、それ故?取り扱いアイテムも少ないのだと思うのです。少ないんだけれど、この鍋は必要でした。長らく取り扱いをしていなくて、ごめんなさい。やはりこういった鋳物の鍋も一つは欲しい。欲しいというか、あると便利というか、必要だと思います。長く煮込む料理には道具にも腰を据えて調理するような雰囲気があると気持ちも盛り上がりますし、なんだか美味しく仕上がるように思いますから。そして、このSarpaneva キャセロール 3L、そのままテーブルへ出して絵になるのですから、無駄がなくて素晴らしい!加えて他にはない、特別な持ち手が備わっています。鋳鉄の本体に、木製の持ち手、この持ち手がミソでして、取り外しができ、蓋のくぼみに刺すことで、熱くなった蓋をミトン無しで持ち上げる事ができるのです。このキャセロールの価値の多くは、この木製の持ち手にあるんじゃないかと思えるぐらい、この仕組みは特別な存在感です。木製の持ち手、その仕組みが、フィンランドを代表する鍋にしているのだと思います。これがあるからこそ、物としての魅力が別格なのですから。シンプルで素朴な道具ながら、プラスのポイントが幾重にもなって打ち寄せ、僕らをグングン引き付けていきます。マイナス点としましては重い、底はどうしても錆びる、そして蓋裏中央が半円に膨らんでいるので置くときには少し難儀する、その三点です。マイナスも多いのですが、ヴィンテージ市場にもあり続けていて、今も愛用している人の多い鍋ですから、マイナスにプラスが勝ります。
何故取り扱いをやめて
また復活をさせたのか?
取り扱いをやめた理由はクオリティがイマイチだったからです。検品しても検品してもA品が出てこない。流石にこういった物に対して細かい事を言ってるとキリがないのはわかっていますから、多少の事は何かしらある、それは仕方がない。ただ、大目に見ても厳しい状況だったから取り扱いを中止しました。それから年は経ち、問題も改善され、木の持ち手も僕らが扱っていた当時の光沢ある塗装から、落ち着いた雰囲気のオイルフィニッシュに変わっていました。そんなクオリティの向上が大きな取り扱い復活の理由です。とはいえ、今でもちょっとした事はどれにもあります。凹みや琺瑯部分のピンホール、白い擦れみたいな箇所はどれにも普通にありますから、そういった細かな難点はある物として、ご検討ください。そしてもう1つの復活の理由は、IHで使えるからです。IH対応で雰囲気の良い鍋というのは、そんな沢山ありません。撮影で絵になる上に使える鍋となれば、どうしても、これを選びたくなるのです。撮影場所がIHコンロの場合は、取り扱いがなくてもスタッフの私物を借り、撮影に使う程だからこれはやはり必要な物なんだとそう判断しまして、取り扱いを再開しました。そんな理由からSarpaneva キャセロール 3L、通称ティモ鍋は再びスコープにやってきました。
2021年10月28日
鍋裏面の錆びについて
可愛い子には一癖あるもの。ティモ鍋と仲良く付き合うために、ひとつだけ気に掛けるべきポイントがあります。それは、鍋裏面の錆び。錆止め加工がされていないのでとても錆びやすいのです。錆びること自体は使用上問題ないのですが、キッチンの天板やステンレスシンクにもらい錆びしやすいので注意が必要です。もらい錆びとは、錆が他の場所に付着してできる錆び移りで、洗った缶詰やヘアピンを濡れたまま置いておくと直ぐに出来てしまうアレです。これがなかなか落としにくい。もらうのが大好きな私でもこれだけは欲しくない。このもらい錆びは、裏面が濡れている時間を極力少なくすることで回避できます。まず、調理後の鍋をシンクの中に置いたままにするのはブブー。もらい錆びもらいまくり祭りであり、NGです。カレーの後のこびりつきを漬け置き洗いしたい場合は、コンロの上で行うのがオススメです。また、洗った後は裏向きに伏せておくと水が切れやすい形状なので、その状態で先に裏の水分をすぐに拭くのがベスト!ティータオルに錆びが付くと悲しいのでキッチンペーパーで拭うと良いですよ。裏面を温める程度の火にかけて水分を飛ばすのも、とても効果的。スコープのキッチンでは木製鍋敷きトリベットの上が定位置になっていますが、棚に収納するなら紙や布を敷いて置くと安心です。ちなみにですが、以前どうしても錆びを取ってみたくなり、酢、重曹、更には飛び技の茂木和哉まで使ってピカピカに錆びを落とした事があります。が、数日後にはまた錆びてしまいました。以後、裏面は錆びる物と受け止め、もらい錆びだけ気を付けて愛用中です。(スコープ酒井)
- ブランド
- iittala
- デザイン
- Timo Sarpaneva (ティモ・サルパネヴァ)
商品スペック
- 材質
- 本体、蓋:鋳鉄 (内側:琺瑯)
持ち手:オーク - 寸法
- 本体: 約φ215xH180mm / 4kg / 3l(満水)
蓋:約φ205xH20mm / 950g
持ち手:約W265xD30xH33mm / 約70g - 生産
- Made in China
- 備考
- ガスコンロ:○ / 電気コンロ:○ / ラジエントヒーター:○ / 電磁(IH)調理器:○ / オーブン:○(持ち手×) / 食器洗浄機:×
購入前に確認ください
- ほうろう以外の部分は錆びやすいので洗浄後は十分に乾燥させてください。
特に鍋の裏側、接地面はとても錆びやすいので、洗ったら底面だけでもしっかり拭き、鍋敷き等にのせて乾かす事をおすすめします。
説明書ダウンロード : Sarpaneva キャセロール