スコープ特注

SCOPE / ハンガー

無塗装のハンガーをずっと
欲しかったもんですから～

いいハンガーないかなぁ？なんて薄っすらと考えながら長らく生きてきましたある頃に、そもそも僕はどんなハンガーを探し求めているんだろう？と考えてみましたら、頭に浮かんだのは残念ながら物の雰囲気ではなく、価格の雰囲気という結果に終わりました。ハンガーを買う。やはりタオルのように揃えたい。とすると何千円もすると揃えられないなと、2千円超えるとキツイなと、そんなことばかりが頭に浮かぶのです。一方、物の雰囲気は全く頭に浮かんでくれない。そんなある日のこと、ダウンコートを買いましたらハンガーが付いてまして、それが素晴らしく良かったのです。素晴らしく良くて、新鮮でした。無塗装のハンガー、無塗装ってだけのハンガーなのですが。それを長らく使い続けましてみても（1本しかないんだけど）、一番気に入っているハンガーであることは変わりませんし、使い続け少し枯れた雰囲気になったのがまた洒落ても見えました。で、こんなハンガーを作ろうと考えました先が、今回のスコープオリジナルな無塗装ハンガーでして、少々パクっぽく感じるかもしれませんが、独自要素も盛り込んでいますので、何かへのオマージュという事でご理解を賜りますと幸いです。

また良い製造元さんと出会う事ができまして、東屋の衣桁にも合うよう、金属パーツもシルバーではなく、ゴールド寄りの塗装で仕上げてくれました。真鍮の鉤と一緒に使ってもいいようにと考えてくれたようです。ハンガーの金属パーツは強度も必要ですから、真鍮とはいきませんでしたが、良い雰囲気に仕上げてくれています。材はヨーロッパ産ビーチの無垢材を無塗装のまま使っています。またラインナップとしてはジャケット用、シャツ用をラインナップしましたけれど、ここから続々とラインナップは増やしていきたいと意気込んでいますから、もしご希望なるサイズや用途がございましたら、掲示板の方へリクエスト下さい。全てを叶える事はできないんだけれども、それらを元に今後の未来を組み上げていきますから。

材の選別を極力しない
左右の木目合わせもしない

さてスコープ独自要素はどこにあるのか？ハンガー左右の木材の木目合わせをしない事、その材の選別を極力しない事、その2点にあります。ハンガーを作る時には左右の材に出来る限り差異が生まれないよう、色や木目を合わせ、あまり独特な木目の出ている材は使わないという事だったので、それを基本的にやめてもらいまして、自然の流れで無駄なく作ろうと、そんな事としました。もちろん、木目も含めて全体が均一に仕上げられた綺麗なハンガーというのも素晴らしい物だと思うのですよ。ただ、無駄を省いて自然の流れで作るハンガーというのもいいじゃないと、そんな僕の趣味嗜好にのった物ってだけです。かといって木目が独特な物や、節がある物ばかりを集めて作りました！みたいなメッセージソング的なワケアリ的な、そんな企画でもなく、全ては自然のままに、流れのままに無駄なく作りましたら良い物になるんじゃないかと、そんな話でして、これもまた僕なりの良い物を作る一つのアプローチなのです。

こうした無駄をなくすことで、価格が下がったり、どこかに利益がでたり、何かしらよい事は生まれるはずなのです。今回の企画は製造元さんにとって、今までに全くなかった方向ということもあり、無駄を省くとはいえ、特殊な案件故、余計な手間が掛かっているようでしてコストは下らなかった。でも、地道に続けて広げていけば、必ずプラスは生まれます。無駄はなくなっているのですから。そのプラスがまずはどこに生まれてもいいと思っています。どこかが潤えば、それはいつか連鎖して巡り巡って全体にとって良い結果になるはずなので。できればユーザーも損とか得とかそういった思考でなく、無駄をなくす、そんな方向を頭に、手にして貰えるとありがたいです。ちなみに綺麗な物もありますけれど、左右全く木目が違ったりといった物もあります。それを使ってみますとね、より自然でいいなと思うのですよ。細かな事は気にしないで、無駄なく使っていただけますと、いいもんですから、なるほどと思えば是非試してみて下さい。無駄をなくす思考というのはとても大事だと僕は思っていて、無駄をなくして作った物はどこか美しくすら感じます。ちなみに合わない人が無理に買う必要もないのです。綺麗なハンガーも世にはありますから、それが良ければ、それを求めればいい、これが良い人はこれを求めればいい、そんな話なのです。