SIDE BY SIDE / Tipping Cooking Spoon
鍋にやさしく
デザイナーが中心となりドイツの障害をもつ人々の工房で生産されるSIDE BY SIDEの素朴な木製品。洗練されたデザインというだけでなく、複雑な工程も簡単な工程に分割し、安全に作れるようデザインすることで重い障害のある人でもチームの一員になれるよう考えられています。だからか、物はどこか素朴で優しいです。そんなSIDE BY SIDEのラインナップからスコープが選び、長らく取り扱いを続けているTipping Cooking Spoon。細くて長い、日本の道具でいうところの菜箸に近い用途の物、つまめないけど掬うことはできる。菜箸が30cmチョイのところ、こいつは35cmあるので頭一つ抜けて長身なのですが、その長身具合が台所では重宝するようで、長らくスコープのキッチンにあり続けています。ホントずっといます。周りは変化していったけれどもコレはずっとある。チェリーの無垢材を削り出しオイルフィニッシュしただけ、材料と仕上げの両面から安心できる調理器具であり、見た目にも嫌な部分がない。地味な物ながらコレは理想の道具、僕にとってはあるようでない物なのです。勿論、木製のキッチンツールにお気に入りが揃っているのであれば特に手を出す必要もないのですが、僕と同じく木製キッチンツールに大きな空席があるのなら、これは良いと思います。こんな先が小さく柄の長いスプーン、大して掬えないだろうし何に使う?そう感じる人もいるとは思いますが、こいつは幅広く使える道具なのです。カレーをまぜたり、野菜を炒めたり、トマト缶からトマトをかきだしたり、そしてザックリとポテトやアボガドをつぶしたりにも使えます。先が小さくて長いスプーンの用途は実に広いんです。混ぜるという時には、お玉や菜箸より使い易いです。缶詰のペーストをすくってかき出し、そのままソースに溶かし、混ぜた後に味をみる。そんな流れが1本ですむのですから使い勝手上々。柄が長いので、深い鍋でも問題なく使えます。この長身スタイルは鍋の大小問わず一緒にあって不格好ではないのもいい。そして何より木製ですから、鍋にやさしい。琺瑯の鍋であったり、表面をコーティングしたフライパンなどで使っても傷がつきにくい。金属のキッチンツールを使って混ぜたり炒めたりしましたら、表面はすぐに傷だらけになってしまいます。料理を取り分けるにはお玉を使うのですが、調理中の混ぜる作業には木製のキッチンツールを使った方がお気に入りの道具を傷付けず良いと思います。
そのまま置ける機能
使うも使わないも自由
このクッキングスプーンは柄の先端にステンレスが仕込まれていて重石となり、シリコンリング(シリコンは移動できて外す事も可能)を軸に先端が自然と浮く仕組みが備わっていますから、使用中のTipping Cooking Spoonをダイレクトに台へ置きましても、スプーン部分が浮くのでキッチンが汚れないという機能を備えています。だから、このスプーンを置くための小皿を準備する必要がないという便利さ!なのですが、それは時と場合によりまして、炒める時なんかには良いのですが万能ではないです。どうしてもカレーやシチューのような料理を混ぜている途中に置くとなれば、しっかり振り落としてから置かないと垂れて汚れますのは当然です。つまり、かなり気を使います。この機能を使う使わないは人それぞれ、不要であればシリコンリングを外してしまうだけですし、そもそも付けたまま普通に使っても何の支障もないです。長さのあるスプーンだから、柄の先端にステンレスが仕込まれていると、使っている時のバランスもよくて使い勝手は上がっていると感じます。この先が浮く仕組みを使わなかったとしても、使いよいドイツ製の優しい木の日用品であることに変わりはありません。先が浮く仕組みはオマケ程度に考えておいてください。
デコボコと多少のカケや凹み
無垢材から削り出されていて、その全体を眺めていますとデコボコしていたり、すこし凹んだ場所であったり、小さな欠けや傷などは随所にみられます。そういうちょっとしたことはある物なのです。障害のある人が働く工房で、各々ができる範囲で作業を分担し、ハンドクラフトを主に物を作っていっているのですから、何かしらあります。機械で大量生産している工場でもないですし、熟練した職人技の先にある物でもなく、作家物ともまた違います。ですから、僕らもクオリティについてのクレームは一切しないことにしているので、その辺のこともご理解いただいたうえでオーダーをいただけると助かります。特にこれは色々ありますので。ただ、使っていればそんなのは全く気になる事ではなくなるので、最初だけのことなのです。届いた時、その瞬間だけの気になるですから、あまりチェックとかしないでいきなりカレー混ぜたら、きっと気にならなくなりますよ。
2022年7月28日
トマト系の煮込み料理の絶対的な相棒
SIDE BY SIDEのTipping Cooking Spoon。スコープアパートメント、スコープ事務所、スタッフの自宅、キッチンツールキャ二スターに頭ひとつ飛び出して立っているのをよく見かけるのではないでしょうか。チェリーの無垢材を削り出してオイルフィニッシュした全長35cmのシュッとした木製スプーン。長く愛用しているせいなのか、もはやキャニスターのアイコン的な存在になっていて、これが不在のキャニスターの様子は、なんだか物足らなさを感じます。さじ部分がコンパクトなので、何に使うの?と思われがちですが、炒め物に使うフライ返しや木べらとは使い処が違いまして、少し特殊な働きで活躍しています。うちでは、シャア専用と呼ばれており、赤いアレ、トマト缶専用機なのです。缶の中に入るほど、さじ部分が小さく、更にそのまま鍋で混ぜられる長さのあるキッチンツールは、あるようでなく、Sarpanevaキャセロールでトマト系の煮込み料理を作る時の絶対的な相棒となっています。長い&深いこの組み合わせはトマトの返り血的跳ね返りを回避できるのでグッツグツ煮込むのに最強です。(スコープ酒井)
- ブランド
- SIDE BY SIDE (サイド バイ サイド)
- デザイン
- Mattias Lehr (マティアス・レール)
- 製造
- カリタス工房
商品スペック
- 材質
- チェリーウッド(チェリーオイルフィニッシュ)、シリコン、ステンレス
- 寸法
- 50×355mm / 約38g
- 生産
- Made in Germany
- 備考
- 食器洗浄器 ×
購入前に確認ください
- 長時間水に浸しておくことはお避けください。
- 時々食用油などを木の表面に塗布してお手入れしてください。
- 天然木を使用している部分は、一点一点の木目の見え方が異なります。
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Tipping Cooking Spoon
3,300円 (税込)