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2024年4月9日
廃番2代目スニフ

自宅の食器棚にじわりじわりと増え続けているアラビアのムーミンマグ。魅力的な限定品も多く、定番は本当に気に入ったものだけにするぞ!と心に決め、厳選して集めています。そして最近、気になっていたスニフマグが生産終了と聞き、慌てて購入しました。スニフってムーミン物語の準レギュラー的な立ち位置なのかなと思っていたのですが、改めて過去のシーズンマグや限定マグをチェックしてみたら、全然見つからない。もしかして結構なサブキャラ…?モランやロッドユールなどマイナーマグを集めている身としては、なんだか益々愛着が湧いてきています。(スコープ 松尾)

2022年10月4日
後ろ姿がたまらない

本日、10月4日はナショナル シナモンロールデー。なのですが、思いっきり平日ということで週末にシナモンロールを食べる会を開催しました。withスコープスタッフ。ウルティマツーレ25cmにドンっと盛り付け、ムーミンマグと取り皿のティーマ15cmを準備して飲み物もシナモンロールも好きなだけどうぞスタイルです。最近、定番シリーズの色合わせを考えて選ぶのにハマっているので、この日は大量にあるマグの中からサブキャラ3名を選出。季節ものや限定ものが出る度に増えていくムーミンマグですが、その横で定番ものもジワジワと食器棚の中を占領してきています。ちなみに、松尾的定番ムーマグの推しポイントは背面に描かれているそれぞれのキャラクターの後ろ姿。華やかな感じの正面側に比べて少し質素目でなんだか哀愁漂う背中がグッとくるんですよね~。最初はピンときていなくても、カート横写真の背面側を見ていたら突然欲しくなり、結局購入するという流れがお決まりパターンです。(スコープ松尾)

2014年12月12日
感電に気をつけて!

ニョロニョロ(the Hattifatteners)
2006-

種から生まれて電気を食べる不思議な生物、ニョロニョロ。

言葉を持たず、意志の有無も不明、集団でわらわらと移動する
ニョロニョロは、ムーミン谷で厭われる存在です。

英語名はハッティフナット。
ニョロニョロというのは日本語名ですがなかなかピッタリの名前ですよね。

その不思議な生態は『ムーミン谷の仲間たち』(講談社)
収録の「ニョロニョロのひみつ」で詳しく述べられています。
自由きままに旅するニョロニョロに心惹かれたムーミンパパはボートに
同乗して旅に出るのですが、言葉も通じないニョロニョロたちに
次第にいらだちを覚えて・・・。

映画『かもめ食堂』では「電気を食べる」と表現されていましたが、
ニョロニョロたちが恐ろしいのは体が電気を帯びていて、
雷が大好きだということです。

そんなニョロニョロがマグではお行儀よく椅子に座って
膝だか太股だかにカップ&ソーサーをちょこんと乗せています。
これは絵本『それからどうなるの?』(講談社)の1コマ。
また、コミックス『ひとりぼっちのムーミン』(筑摩書房)には
スーツケースを手にムーミンの家に押しかけ、「カクテルはないの?」
と要求する場面が出てきます。
小説と絵本、コミックスでは、設定が異なっているんですね。

『ムーミン谷の夏まつり』(講談社)では、「~~するべからず」と
楽しみを禁止するたてふだを立てた公園番に業を煮やしたスナフキンが
夏至の前日にニョロニョロのたねを蒔いて、公園番を感電させ、復讐を果たします。
白くてツヤツヤしたたねを蒔くと、ニョロニョロが頭から
にょきにょきと生えてくるのです!

そのニョロニョロのたねをイメージしたドリンクの飲めるお店
「ムーミンスタンド」も大人気。店内にはニョロニョロの飾りやグッズもいっぱいです。
ニョロニョロの不思議さに惹かれた方はぜひ行ってみてください。

気分も明るくなるオレンジ色のマグには、ピリリと電気を連想させる、
自家製ジンジャーエールを。
表面をきれいにした生姜を薄切りにして同量の砂糖を加え、
30分以上おきます。水分が出たら中~弱火で30分ほど
煮て、レモン果汁1個分を混ぜ、生姜を取り出したらシロップ完成。
生姜はそのまま食べてもよし、刻んでジャムにしたり、生姜焼きなどの料理に入れたり。
新生姜を使うと、きれいなピンク色のマイルドなシロップになります。
辛いのがお好みの方は根生姜にシナモン、クローブなどのスパイス
を加えてみてください。

もっとお手軽に作りたいときは、すりおろし生姜、ハチミツ、
レモン汁を混ぜるだけでもOK。
紅茶やお湯、水割りでもいいですが、
ソーダのほうが雰囲気が出るかな?

text:萩原まみ(too)

2014年1月7日
トゥーティッキのモデルの人物は?

トゥーティッキ(Too-ticky)
2006-2015

器用で優しい、水浴び小屋の冬の住人。
トゥーティッキは原語でも英語でも同じ名前で、日本のアニメや
コミックスでもトゥーティッキと呼ばれています。なぜか小説が日本語に訳された際、
「おしゃまさん」という愛称がつけられました。

一見、人間のようですが、ちょっと不思議な形の足にご注目。男の子のようにも
見えますが、女性という設定です。赤いボーダーのセーターに、ボンボン付きの
帽子がトレードマーク。この帽子とパンツはアニメでは緑色でしたが、
フィンランドでは青。アラビアのマグも青色です。

トゥーティッキは年齢不詳ですが、ムーミンよりは少し年上らしく、
パパやママにとっても良き友人。冬眠せず、避寒もしないという珍しいタイプで、
ムーミン一家が眠りにつく冬にはパパが作った水浴び小屋に無断で住みついています。
『ムーミン谷の冬』(講談社)でムーミンがひとり冬眠から目覚めてしまったときは、
冬の世界のガイド役をさりげなく務めてくれました。

トゥーティッキのモデルはトーベ・ヤンソンのパートナー、トゥーリッキ・ピエティラ。
彼女は有名なグラフィックアーティストで、タンペレのムーミン谷博物館に
展示されている多くの立体作品を作りました。
トーベは「生涯独身で、夏にはひとり孤独に島で創作に勤んだ」
なんて語り継がれていましたが、実際はその隣にはトゥーリッキが。

トーベはダンスが大好きで創作と真摯に向き合いながらも人生を謳歌していたそうです。
トーベの島、クールヴ・ハルでの暮らしを綴った『島暮らしの記録』(筑摩書房)は トーベが文章を書き、トゥーリッキが挿絵を添えたもの。
ふたりの素顔についてもっと知りたい方は、
写真集『ヤンソンとムーミンのアトリエ』(講談社)をぜひどうぞ!

2014年はトーベ生誕100周年のメモリアルイヤー。トーベとトゥーリッキの島暮らしと
旅の様子を綴った貴重なドキュメントフィルムの上映とDVD発売も予定されています。

さて、トゥーリッキ同様、トゥーティッキも手先が器用で、特にコミックスでは
さまざまな活躍を見せます。『ムーミン、海へいく』(筑摩書房)では大工道具片手に
船の作り方を指南、ムーミン一家と共に航海に出かけます。
マグに描かれているのもそんな場面で、いつも腰に下げている愛用のナイフで
小さな船を作っています。裏面は『ムーミン谷の冬』で、冬の間使っていた
水浴び小屋をきれいに掃除しているところです。

このマグで飲みたいのは、2007年の冬マグ「Snow Lantern」の雪玉で作ったランプを
ムーミンと見つめる名場面をイメージした、マシュマロ入りのココア。
無糖のココアを少量の熱湯で溶き、牛乳を適量入れたらレンジで温め(もちろん鍋で
温めてもいいですが、手軽にレンジで加熱できるのもマグのいいところ!)雪玉に
見立てたマシュマロをたっぷり浮かべます。このメニューは、かつて、ららぽーと横浜に
あったムーミンオーロラカフェ(現在閉店)の「おしゃまさんのマシュマロラテ」への
オマージュです。マシュマロはココアだけでなく、ラテやミルクティに浮かべても
甘みが加わっておいしいですよ。

text:萩原まみ(too)

2013年12月7日
招待客も待ちきれない!

ソースユール(Fuzzy)
2011-

愛らしい花嫁姿は、ロッドユール妻=スニフのお母さん!

柔らかいピンクを背景に花束を持って佇む花嫁。
彼女はソースユール、スニフのお母さんです。
先に紹介したロッドユールと並べると
スニフがお母さん似だってことがよくわかりますね。

このソースユール、
ロッドユール以上に出番の少ないキャラクターです。
『ムーミンパパの思い出』(講談社)の後半、いきなり
ロッドユールとソースユールの結婚式の場面が飛び出します。

ムーミンパパがソースユールの存在をすっかり忘れていたため、
ふたりの出会いの詳細は不明。
ただ、結婚式を執り行おうとした王さまいわく、ふたりはひと目惚れで、
ボタンを交換したり、散歩したりして、愛を育みました。
互いに夢中で、おっちょこちょいなふたりは、招待客の到着を待てず、
さっさと結婚式を挙げてしまうほど、深く愛し合っていたのです。

マグに使われている絵はどちらも『思い出』からのもの。
ですが、実は、ウェディングドレス姿の横には、
帽子代わりの鍋に花を差して正装したロッドユールが!
暖炉の火にあたっている絵も本当はロッドユールに寄り添っています。
マグではソースユールの部分だけが使われ、ロッドユールは
カットされてしまいました。
新婚カップルに対してあまりにむごい仕打ち……
マグを使うときはそんなことは考えないほうが
ハッピーかもしれません(笑)。

ロッドユールとソースユール、
ふたつのマグはウェディングギフトや引き出物に最適です。
スニフを足せば、誕生祝いや新居への引っ越し祝いにも!
色みに統一感があるので食卓でのコーディネートもバッチリ。
そんな用途を想定して、スニフ一家が大抜擢されたのでしょう。

ソースユールの優しい色に合わせて、
米麹で作る甘酒なんかを入れるのもオススメですが、
作り方がややこしいので、暖かいエッグノッグはいかが?
卵1個を鍋でよく溶き、砂糖を大さじ1程度入れて混ぜ、
牛乳カップ1弱を入れて、混ぜながら中火にかけ、
とろみがついてきたら火を止めます。
好みで、シナモン、ナツメグ、
大人はブランデーやラム酒を。
風邪のひき始めにもよく効きます。
もっとパンチのあるものがよければ、
『思い出』のエピローグで再会を祝してみんなで飲んだラムいりトディでも。
ラムとシロップをトニックかお湯で割るだけです。
ソースユールみたいに最愛の人に寄り添って
暖炉の前で飲めたら最高ですね。

text:萩原まみ(too)

2013年11月7日
ボタン大好き、ロッドユール。

ロッドユール(Muddler)
2010-

まさかの大抜擢、ロッドユールはスニフのお父さん。

2010年にこのマグが登場したとき、ムーミンファンは「まさか!?」、
あまりムーミンに詳しくない人は「誰?」と思ったのでは。

鍋を帽子の代わりにかぶった風変わりな格好の彼の名前はロッドユール。
ムーミンパパとフレドリクソン、スナフキンの父のヨクサルと共に
冒険の旅をしていた仲間です。
青いコーヒー缶に住んでいましたが、残った赤いペンキで缶を塗ったら
乾かなくなり、住処を失って旅に同行することになります。

『ムーミンパパの思い出』(講談社)の説明によれば、
ロッドユールというのはがらくた集めをする小さな動物。
趣味はボタン集めですが、ガラクタが多すぎて、すぐにものをなくしてしまいます。

ムーミン谷でコレクターといえばヘムレンさん一族ですが、
ロッドユールは彼らのようにきちんと整頓したり、秩序立てて蒐集したり
ということはしません。
ただただボタンが好きで、ひたすら集めるだけ。
その気質は息子のスニフにも受け継がれていますが、
スニフは宝石や光り物が大好き。
父親のボタン集めのほうがお金のかからない趣味ですね。

ロッドユールは小説では『ムーミンパパの思い出』だけに登場する、
あまり出番の多くないキャラクター。
コミックスにはそっくりの外見のキャラクターが出てくるのですが、
彼はお父さんと瓜二つの息子で、スニフの兄のクロットユールです。

マグに使われている絵そのままのカットは見当たらないようなので、
クロットユールの要素もミックスされているのかもしれません。
ちなみに『思い出』のロッドユールにはヒゲがありますが、
マグの絵にはヒゲがありません。 (しかし、『思い出』のミムラには
なんとしっぽがあるので、細かいことは言いっこなしで!)

そんなロッドユールがマグに大抜擢された理由……
翌2011年にその謎が解けました。(次回に続く!)

明るい紫色のロッドユールマグには、インスタントのお味噌汁を
入れてみました。
もちろん手作りでもいいのですが、手軽なインスタントの味噌汁や
お吸い物を飲むときにもマグはオススメです。
でも、そのままでは味気ないので、切り干し大根とお麸などを追加。
乾物をちょい足しするときは、先にマグに入れて熱湯を注ぎ、
軽く戻してから、お味噌を入れて味をつけてください。
お麸が「ボタンみたい!」と、ロッドユールも喜んでくれるかも?

text:萩原まみ(too)

2013年10月7日
おそろしい女の魔物、モラン。

モラン(The Groke)
2005-

すべてを凍りつかせるおそろしい女の魔物、モラン。

ムーミン童話における二大バケモノ(?)モランとニョロニョロ。
どちらも意志があるのかないのか、コミュニケートは困難ですが、
モランのほうは光や暖かいものに引きつけられるという性質が。
しかし、モランの通った後には霜が降り、花は枯れ、生き物は寒さに震えます。
1時間以上、モランが座った場所には何も生えないと言われるほど。

そのため、人々から忌み嫌われ、友達もいなかったモランに、
ムーミントロールだけが思いやりを持って接します。

『ムーミンパパ海へいく』(講談社)でムーミンたちの明かりを追って、
灯台守の島までついてきたモランにムーミンはカンテラの灯を差し出します。
モランは明かりを見つめながら歌のような音をたて、
体を揺すって踊るのでした。

モランは言葉を発することはないと思われていますが、
『たのしいムーミン一家』(同)でトフスランとビフスランの持つ
ルビーの所有権を主張するモランは「高いだよ」「たりねだ」と
片言で訛りのある言葉を話します。
頭と体の境目が不明のマツコ・デラックス体型ですが、
裾のヒラヒラはスカートなんです。

フィンランドの長く厳しい冬の象徴であるかのようなモラン。
作者のトーベ・ヤンソンが、夏を過ごしていた群島地域ペッリンゲには
モランそっくりの形の巨大な岩があります。
今では目と口が書き加えられ「モラン岩」と呼ばれて、
地元の子どもたちから親しまれているそうです。

ベースの紺色がきれいなモランのマグは、個人的に大のお気に入り。
でもやっぱり、モランの性質を知っているせいか、
夏場にはあまり手が伸びません。 (暑苦しくてたまらない日に
少しでも涼しげな気分を味わおうと あえて使うことはありますが)。
空気が澄みきって、月や星が美しく輝く秋から冬が
いちばん似合うような気がします。

作ってみたのはカフェロワイヤル。
角砂糖に染み込ませたブランデーから立ち上る青い炎、
モランも喜んで踊ってくれるかな?

text:萩原まみ(too)

2013年8月7日
仲良しなふたりの正体は??

トフスランとビフスラン(Thingumy and Bob)
2005-

夫婦? 双子? 女の子カップル?
ふつもいっしょの いたり組。

赤い帽子をかぶったトフスランとスーツケースを抱えたビフスラン。
ふたりはいつもいっしょで
「あべものが、たるよ」と言葉の一部を入れ換えた、
ふたりだけに通じる不思議な言葉を話します。

このトフビフ言葉は速水もこみちさん主演のドラマで
恋を盛り上げる演出のひとつとして使われたこともありました。
オリジナルのムーミングッズをプロデュースしているIhanat Muumiさんが
facebookで使っているのもトフビフ言葉です。

『たのしいムーミン一家』(講談社)では夫婦と訳されていますが、
性別ははっきりしません。
昭和版アニメでは、トフスとビフスという名前で
双子という設定になっていました。
アニメではトフスランが男声で、ビフスランが女声です。
英語だと「Thingumy and Bob」で、ビフスランのほうが男名前!?と思いきや、
名前が不明なときに使う「thingamabob」(誰かさん?)を
半分に分けたネーミングとのこと。
しかし、フランス語ではふたりとも女性名だという説も!?

曖昧さはムーミン童話の魅力でもあるので、
謎は謎のままにしておきたいと思いますが、
ひとつのヒントになりそうなのが、
トフスランとビフスランのモデルは作者トーベ・ヤンソンと、
トーベが児童劇『ムーミントロールと彗星』の脚本に手こずっているときに
的確なアドバイスを与えた演出家のビビカ・バンドラーだということ。
『ムーミン谷の夏まつり』(講談社)のエンマのモデルにもなった人物で
同書はビビカに捧げられています。

トフスランとビフスランはふたりの世界に生きているせいか、
周りが見えないところがあり、ムーミンママの大切なハンドバッグを勝手に拝借して、
大騒ぎを引き起します。
ねずみより小さいふたりはママのバッグをベッドがわりに使っていたのでした。

濃いコーヒーの色がよく映える緑色のトフスランとビフスランのマグ。
仲良しのふたりにちなんで二種類のものを組み合わせると
さらにおいしくなるものを考えてみました。
思いついたのは甘くてほろ苦いイタリアのデザート、アフォガート。
バニラアイスクリームに熱いエスプレッソを掛けて、
熱々の冷え冷えをいただきます。
しっかりした磁器のマグは多少のことでは割れる心配がなく、
いろんな使い方ができますね。

text:萩原まみ(too)

2013年7月7日
素直になれないスティンキー。

スティンキー(Stinky)
2001-2021

スティンキー=臭いヤツ。
フィンランドではいちばん人気!?

モジャモジャの体に悪事を企むワルそうな笑み。
日本でも人気が高く、キャラクターグッズの種類も多い
スティンキーは、フィンランドでは特に男の子にいちばん人気なんだとか。

存在感大のスティンキーですが、実は原作小説には登場しません。
コミックス版オリジナルキャラで、ストーリーを進めるために
重要な役割を果たしています。
それぞれ個性的だけれど悪意ある住人の少ないムーミン谷にはめずらしく、
臭いわ、家を食い荒らす(!)わ、かなり困ったヤツです。

アニメ版ではもう少し子供っぽく他愛ない悪戯を仕掛けることが
多くて、どこか憎めないところも。
本心ではムーミンたちといっしょに遊びたいだけなのに
素直になれないようにも見えます。

そんなスティンキーマグの絵は、
『彗星がふってくる日』(筑摩書房)で
彗星の接近に脅える人々に売りつける
“紫外線から身を守り、衝撃波も吸収する魔法の水”を
両手いっぱいに抱えているところ。
もちろん、中身は魔法の水などではなく、サンオイルらしき謎の液体。
けっこう悪知恵が働くんですね。

体からは臭気が立ち上っていて、食器向きの絵ではないような気もしますが、
モノトーンのせいか意外に使いやすくてよく手が伸びます。

このマグに合いそうなのは何か意表をついた飲み物。
世界一マズい飴と言われるサルミアッキ入りウォッカあたりが気分ではありますが、
日本では入手困難なので、ふだんはマグでは飲むことのない
コーラなんてどうでしょう?
お酒好きの方ならウィスキーやラムをコーラで割ったカクテルを。
レモンかライムを絞ってどうぞ。

text:萩原まみ(too)

2013年5月7日
ラブラブなおふたり。

ピンク(LOVE)
1996-

廃盤マグの面影を残す異色の一品。

現在発売されているムーミンマグは
1つのマグにひとりのキャラクターがどーんと描かれているタイプ。
一目で「ムーミンのマグ」とか「パパ」とわかって親しみがわきますね。

このピンク色の「LOVE」だけは廃盤マグのパターンです。
2002年に他の色が廃盤になった後もなぜかこれだけが残りました。
明らかにこれだけラインナップ外なので
いつ廃盤になってもおかしくない…と言われながら早10年。
でも、持っていない方は、早めに買っておいたほうが安心でしょう。

他の廃盤マグよりも、使われている絵の点数が少ないかわりに
大きめに配置されていて、「LOVE」というメッセージがしっかりと伝わってきます。
仲むつまじいムーミンとフローレンを描いた3点の絵は、
すべてコミックスからの引用です。

道を挟んで見つめ合っているカットは『あこがれの遠い土地』(筑摩書房)。
フローレンマグの裏面でムーミン以外の男の誘いを待っていたフローレンですが、
やはり最終的にはムーミンの良さを認識。再会を喜んでいます。

ギュッと抱き合っているカットは『まいごの火星人』(同)。
壊れたラジオの修理に墜落したUFOの部品を使ったことからさまざまな怪現象が!
小さくなってしまったムーミンが元の大きさに戻った喜びを
分かち合っているシーンです。

後ろ姿のカットは『恋するムーミン』(同)収録の『家をたてよう』から。
ミムラ夫人のマグに描かれているミムラきょうだいの襲撃に
困り果てたムーミンは、新たに家を建てることを思いつきます。
その家を赤く塗るか青く塗るかで言い争いになったふたりですが、
ミイが「紫の花柄にすれば?」と皮肉たっぷりにアドバイス、仲良く花を描きはじめます。
マグではカットされていますが、ふたりの下にはミイがいて
「あんたらおばかだね」と落書き。
そんなことにはまったく気づいていないラブラブのふたりなのでした。

ピンク色がベースですが、モノクロ原画が使われているので、
甘すぎず、大人っぽい雰囲気。
結婚祝いや引き出物、バレンタインギフトなどにもオススメです。

色数が多くないので、何を入れてもよく合いますが、
ちょっと意外なところで蒸しパンを作ってみました。
小麦粉大さじ6杯と砂糖大さじ1、ベーキングパウダー小さじ1を直接マグに入れ、
大さじ4杯の牛乳か水で溶きます。電子レンジで約1~2分、加熱したら出来上がり!
もこもこと膨らんでくる様子が楽しく、あっと言う間にできます。
ココアを混ぜたり、チョコチップやドライフルーツ、
ソーセージやチーズをトッピングしたりしてもおいしい。
加熱時間はレンジによって調節してくださいね。

text:萩原まみ(too)

2013年4月7日
大忙しの署長さん。

署長さん(The Inspector)
2009-

平和なムーミン谷を守る署長さんの意外な趣味とは・・・

2009年に登場した署長さんマグにはちょっと驚かされました。
日本では、茶色い毛に覆われたご先祖さまの人気が高いですし、
他にもスナフキンの父ヨクサル、ホムサ・トフト、スノークなど
マグに登場してもおかしくないキャクラターがいたからです。

署長さんとは呼ばれていませんが、
『ムーミン谷の夏まつり』(講談社)にはおまわりさんのヘムルが登場。
コミックスには何人かポリスマンが出てきます。
昭和アニメで署長さんを務めたのはヒゲのある年配の人物。
平成アニメはこの若い署長さんで、
ミムラねえさんと恋人同士という設定でした。

多少のゴタゴタはあるものの、基本的にムーミン谷はとても平和。
署長さんの出番は少なそうですが、汚くて臭いスティンキーが
住人を困らせたり、吸血鬼が出没したり、海賊が現れたり、
なんだかんだでけっこう忙しいんです。

明記はされていないものの、おそらく種族はヘムル。
ポリスマンという職業は厳格なヘムル族にぴったりですね。
ヘムルの特徴である収集癖はないらしく余暇にやっているのは薔薇いじり。
同じ趣味を持つムーミンママとガーデニング談義で盛り上がることもあります。

フィンランドのナーンタリにあるテーマパーク、ムーミンワールド
では、園の中心地点あたりの警察署が案内所になっています。
冬の開園時にはスキーやスケートの貸し出し拠点に変身。
夏場は留置所に入って囚人ごっこをして遊ぶことも!
また、署長さんの服を着たスタッフが遊びの手助けをしてくれます。

男の子も好みそうなカラーリングの署長さんマグ。
前年にリリースされたミムラマグと組み合わせると、
いかにも“ペア”な雰囲気に。ムーミンパパ&マママグはちょっと
使いづらいな、なんていうカップルの方にもオススメです。

さて、これまた何でも合うマグですが、ガーデニング好きの
署長さんにちなんでフレッシュハーブティーを。
できれば自分で育てた無農薬のミント、カモミールなどを
ひとつかみ入れ、熱湯を注いで軽くつぶします。
お好みでハチミツを入れても。
市販のハーブティとはまた違うフレッシュな風味をご堪能あれ。

text:萩原まみ(too)

2013年3月7日
おしゃれなミムラねえさん。

ミムラ(Mymble)
2008-

ミイたち妹弟の長女、
おしゃれなミムラねえさん。

2012年発売のミムラ夫人マグの回でもご紹介しましたが、
ミムラ夫人はとにかく子だくさん!
なにしろ、別の種族であるはずのヨクサルとの間に
スナフキンも生んでいるんです。

そんなミムラきょうだいのなかでも別格なのがミムラねえさん。
ミムラというのは種族名ですが、
単に「ミムラ」と呼ぶときはいちばん年上のミムラねえさんを指します。
女優のミムラさんがご自分の芸名になさったことでも有名ですね。

『ムーミンパパの思い出』(講談社)では、人をからかうのが大好きな
いたずら好きの女の子でしたが、『ムーミン谷の夏まつり』(同)
では妹のミイのしつけに気を配るしっかり者に成長しています。
『ムーミン谷の11月』(同)では朗らかで、ダンスが大好き。
ムーミン一家不在のムーミン屋敷に住み着いた他の住人を冷静に観察、
心のなかで分析する様子は毒舌の妹、リトルミイに
共通する気質も感じられます。

一方、コミックスでは、
冬マグに登場するブリスクさんに片思いして、周囲を振り回すなど、
惚れっぽくて恋に一喜一憂する、ふわふわした一面も。
お好みなのはマッチョタイプ。
平成アニメでは、署長さんと恋人同士という設定でした。

マグに使われている絵は
『ムーミン谷の夏まつり』で舞台の口上を述べているシーン。
よく見ると目がハート型でとってもキュートです。

裏側はコミックス『ムーミン谷のクリスマス』
(筑摩書房)収録の『預言者あらわる』で、預言者の影響で髪形を変え、
ムーミンに見せているところ。
いつもはミムラ族特有のおだんご頭のミムラねえさんですが、
髪をとかしたり、肩に垂らしたり、おしゃれを楽しんでいるようです。

使うだけで女子力が高まりそうな濃いめピンクのマグには
グリーンスムージーを。
レシピはいろいろありますが、小松菜、ほうれん草などの青菜に、
バナナ、リンゴ、ミカン、レモンなどのフルーツをプラス、
水、牛乳、豆乳などの水分を加えてミキサーかジューサーで液状に。
美肌やダイエットに効果的、
ミムラのように美しくなった自分に惚れ惚れしちゃいましょう♪

text:萩原まみ(too)

2012年12月7日
ミムラ夫人の子育て術。

ミムラ夫人(Mymble’s mom)
2012-

2012年に発売されたばかり。
ミムラ夫人の子どもはなんと36人!

『ムーミンパパの思い出』(講談社)のラストシーンにチラリと登場、
スナフキンとミイがきょうだいだという衝撃の事実を明らかにしたミムラ夫人。

日本語では「ミムラ夫人」ですが、正確には「ミムラの婦人」、
英語では「ミムラ母」です。

マグにも描かれているとおり、少なくとも36人の子だくさん!
ですが、ミムラ夫は存在せず、スナフキンとミムラ&ミイが
異父きょうだいであることからもわかるとおり、
お相手は複数いたようです。
(あまりに次々と生まれるので、ひとりでに子どもができる
単為生殖なのではないか!?という俗説も囁かれているほどです)。

マグに使われている絵は、
コミックス『恋するムーミン』(筑摩書房)収録の
『家をたてよう』で、ムーミン屋敷に
17人の子どもを連れて押しかけたエピソードからの引用。
コミックスでは、このときがムーミン一家とミイの初顔合わせです。

ミムラ夫人の子育てはダイナミック。
叱るのが嫌いで、子どもたちがケンカしてもちょろっと水を掛けてお終い。
ムーミンママは台所を荒らされ、ムーミンは部屋を占拠されて、大弱り。
困り果てたムーミン一家は策を巡らせ、なんとかお引き取りいただくものの、
こっそり隠れていたちびのミイが居すわってしまいます。
ムーミンパパが電話をかけますが、「子どもに不自由はしてないから」と
ミムラ夫人は引き取りを拒否。
ミイはムーミン屋敷で暮らし始めるのでした。

さて、ターコイズブルーが爽やかなミムラ夫人のマグには
シリアルとフルーツ、ヨーグルトを入れてみました。
子どもが何十人いても手間なく食べさせられるシリアルは忙しい朝にぴったり。
ヨーグルトではなく牛乳でさらさらと食べてももちろんOK。
マグでは物足りない方は同じ絵柄のボウルで召し上がれ。

text:萩原まみ(too)

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