2021年6月14日
生産が遅れる理由
木瓜小皿の赤壽、これがナカナカ納品されない。なんでだろうと問い合わせ、説明を聞きましたら、なるほど理解できましたので、皆様にもお伝えさせていただきます。表に3本、裏に2本、合計5本ひかれている手描きの輪線、そこに原因がございました。木瓜角皿ヒラヒラも表に1本、裏に1本、合計2本の輪線が入れられています。角皿に輪線を手で引くのは難しい、そこです。難しいと聞いても難しいの?と思ってしまいますが、具体的に自分で引くことをイメージしますと大変難しいことが段々と理解できてきます。丸皿は回転しているところにスッと筆をおろせば瞬間的に輪線を引くことができますが、角皿の場合そうはいかない。手でスーッと真っすぐな線を引く、更に縁から少し落ちたところに2本引くなんてことは、簡単なわけないのです。実際、角皿に輪線を引ける職人さんが少ない、具体的な線を引ける枚数ですが4人がかりでヒラヒラが日に200枚、赤壽は3人がかりで日に75枚が現状の最大数ということです。ヒラヒラ作れば赤壽作れず、赤壽作ればヒラヒラ作れず。完全にボトルネックとなっている輪線、それが生産の遅れている理由です。ただ、この手描きの輪線があるから引き締まってイイ物になっていて、他にはない魅力になっているのですから、つまりは納品されるのを待つしかないってことです。(シャチョウ)