2015年12月11日
家宝にポムポム2015
Bird、Lolipop、Puteli、そしてPomPom。
いいのがオークションに
出てやしないかと長年に渡り
チェックを欠かさない日々なのだけれど、
中でもPomPomは激しく高値で全く買える
気がしない物の一つになってきた。
完全に世界中から注目を
浴びまくっちゃってすみません!
そんな気配びんびん物語なのです。
オイバのアートピース物、
これからいよいよ手に入れるのが
難しくなりそう、完全に。
もし見つけたとしても、
めちゃ高そう、完全に。
オイバ作品の価値を
世界中の人々が認めてるっていうのは
嬉しい事だけれど、我が物にできないのは
寂しい事でもあるので、
だったら作ればいいじゃない、と
マリーアントワネット状態で
オイバに話してみたところ、
やってみるか?
とあっけなく歴史が動いた。
まぁ、やってみよう、
それがオイバスタイル。
ホント最高な御方様だ!
久々にオイバが工場を訪れ、
職人たちと試作をする現場が見られたのは
実に幸せな時間だった。そうしてついに
出来あがった新しいPomPomは、一粒で
二度おいしいアメジストが採用されました。
自然光と蛍光灯で色が変わるっていう、
アレです。サイズも大き目で
配色も形も新しい、完全なる新作
PomPom 2015。
どこかしらFloraの様な雰囲気もあるのが
かわいくて少し笑えます。
ポムポムの装飾とフローラの柄、
似てますよね。イエローとアメジストの
まさにオイバ配色、
大好きなPomPomを新たに現在へ
引っ張りだす事ができて本当に良かった。
これはまさに家宝となり得るのでは?
限定100pc、好きな番号を選んで
オーダーを済ませたら、
後は何番が我家にやってくるのか?
家宝は寝て待て。
text : シャチョウ
2015年11月13日
坂本龍一さんと1時間みっちり話した内容をそのまんま源泉かけ流し。
坂本龍一さんのレーベル、コモンズの皆さんがスコープをご贔屓にしてくれているというミラクルなご縁もございまして、ライブやフェスで販売されるタオル『ハウスタオル坂本龍一特別版』を作る事になった勢いにのり、スコープでも販売する事になったもんだから、思い切って対談をお願い致しましたら、レコーディングで超絶忙しい所、時間を作って頂きまして実現してしまったというスコープ夢の対談です。場所は青山にあるレッドブルスタジオ。撮影は写真家でもあり映画監督でもある若木信吾さんにお願いし、どうしたスコープ!消える前の花火の瞬きではないか?とどこか儚さと危うさに僕の緊張感をおおいに交えまして、アッと言う間の1時間をそのまんまお届けします。僕の言葉が少し横着に読めてしまう部分がありますが、そこは猛烈緊張の相槌でして、小声ですから実際は横着ではありませんと前もっての注釈。安心して下さい、僕はいつでも小物感全開ですよ!ではでは、最後まで読んで貰えると嬉しいです~。
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登場人物 / 教授:坂本龍一さん、シャ:スコープシャチョウ、マネ:マネージャー兼コモンズの方、
加藤:コモンズの方、若木:写真家の若木信吾さん、湯田:コモンズの方(話してる分量順)
写真撮影 / 若木信吾
撮影場所 / Red Bull Studios Tokyo
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教授:シャチョウですか。
シャ:はい。44歳です。
教授:若いな~。
シャ:いやいや…今日はありがとうございます。よろしくお願いします。
教授:ここでやりますか。ここに座るの??
シャ:はい、じゃあ僕はここで。よろしくお願いします。(冷汗)
加藤:今日は一時間シャチョウとお話していただきます。お話と撮影、最後スコープさんから次回タオル再販売の際のプレゼント用のサインをお願いします。
シャ:すいません、ではよろしくお願いします。
教授:何を話したらいいんだろう…。
シャ:いや、先ずはタオルの結果報告をさせていただこうかなと思いまして…。へへへ…一応総数でいきますと、フェイスタオルが1319枚、ミニバスが782枚、ほぼフェイスについては一日で完売したので。
教授:へぇ~。
シャ:いや、すごかったんです、僕の友達周りも取引先もみんな、え、坂本龍一さんですか、みたいな。それで一気に注文がぱぱっと来てみんなラインで連絡くれたり、あとインスタグラムで坂本龍一さんのCDとタオルを一緒に写真撮って投稿してくれたりして、結構おもしろい動きになってて。あと、yahooニュースにものせていただきまして…。
教授:へぇ~
シャ:はい、とてもうまくいきまして、ありがとうございました、と。
教授:いや素晴らしいです。
シャ:で、また今も売り切れちゃってるので、バスタオルも作ろうっていうリクエストをいただいたのでそれはもう作ってます。
教授:はい。
シャ:はい、で、それは10月に全部そろいますので。
教授:バスタオルはなんか、あんまり出ないんですか?
シャ:いやいやいや、そんなことは無いんですけど、最初がフェイスタオル一色だけっていうお話だったので、それが3色に増えて、さらにミニバスもってなると、ちょっとこれは多すぎるかなと思って、まあバスは置いとこうっていうことになったんですけど、まあこれだけ人気なら、是非、やらせていただければと、思っておりますので…(魂抜けかけ)。
教授:笑
シャ:すいません、僕、坂本龍一さんの音楽を聴く歴が非常に長いので。
教授:へぇ、そうなんですか??
シャ:はい。あの、小学校の時に、いとこがすごいお金持ちで、百何十万のステレオを買ってもらってて、そこでYMOがもうガンガンにいつも流れてて…小学校の時にそれを聴いていて。そして初めて買ったレコードが「音楽図鑑」、あ、カセットなんですけど。
教授:あ、はい。そのいとこさんはいまでもお元気ですか?
シャ:いやーもうずっと会ってないのでわかんないんですけど。
教授:そうですか…今でもお金持ちなんですかね?
シャ:いやーお金持ちじゃないと思います。今はもう流石に。
教授:(苦笑)なるほど。
シャ:「セルフポートレイト」が僕の人生で一番聴いてる曲なんですけど。
教授:えぇ~。笑
シャ:なんだろ、受験の前とか、緊張する時に聴く曲っていう設定になってて、ずっと聴いてるっていう。なので、今回、お話をいただけて、すごく嬉しかった、良かったっていう…。
教授:えぇ。笑
シャ:すいません、猛烈に緊張していて…。
教授:いやいや、そうか~。
シャ:そうなんです。それで、僕らがちょっとお聞きしたいなっておもっていたのが、今回ページの写真は、坂本龍一さんの生活っていうイメージで撮ってみたんですけど、コンクリート張りっていう空間で。あんな感じで大丈夫だったのかなっていう。
教授:あぁ…いや、かっこいいなぁと思いましたけど。
シャ:あれスタッフの家なんです。
教授:うん、いいですよね。まあ、あれよりかはもう少し、木のぬくもりがあるような感じが、自分のニューヨークの家もそうですけど、割と、木の床とか、そういうものが好きですね。
シャ:じゃあ別にコンクリート張りっていうわけじゃないんですね
教授:ですね。けどそれも嫌いではないし、いいと思うんですけど。自分が安心して住める環境っていうと、木をうまく利用したものが好きですね。あと、まあニューヨークなので、レンガが好きで。
シャ: そっか、レンガ。
教授:それで100年以上経ってる古い家を改装して住んでるんですけど、どうしてもレンガを残したくて、改装の建築家に頼む時に、ちょっとでもいいからレンガを残してって、残してもらったんですけど。暖炉のところにレンガがあるんですけど、やっぱり木とかレンガとか、そういう手触り感っていうか、テクスチャーとか、あと経年変化するとか、そういう感じも好きですね。
シャ:じゃあもう完全に、素材がリアルなものが。
教授:そうですね、で、木も色が変わってきますよね、だんだん茶色が濃くなっていったりして。そういうのはとても好きですね。
シャ:あー、だったら、スコープは今後も坂本龍一さんのものを作るのに、ちょっといい(声張り気味)かもしれないです!
教授:ですよ。だからこういうものもだんだんと自分のものになってくるじゃないですか。そういう変化も好きですね。
シャ:じゃあ今の生活をされている中で、仕事じゃなくて家に帰ったりして、リラックスしている時ってどういったことをされますか?
教授:まあ、去年大病をしましたので、それ以前も健康にはとても気を使っていたんですけど、ある意味、一番気をつけていることは健康に関することで、休暇もちゃんととるようにして。まあ忙しくなってくるとそれも難しいですけど。まあ体第一ですので、健康でないと、いい仕事もできないですからね。あなたはまだ若いから大丈夫かもしれないけど、50くらいになったら気をつけたほうがいいかもしれないですね。
シャ:苦笑
教授:40代はめいっぱい走って、50になったら少し気をつけたほうがいい。まあ僕もそのつもりで、気をつけてはいたんですけど、なる時はなっちゃうんだなと思うんですけど。幸いなことに復帰できたので、今はなるべくストレスをためないように。
シャ:ストレス…。
教授:ストレスを抜くために、ヨガをやったりとかね。
シャ:あぁ、ヨガですか。
教授:うん。そういうことに以前から関心はあったけども、本当に身に迫る問題としてやったりとか。
シャ:はい。
教授:あとは、そうですね、ストレスを軽減するために、香り、まあお香ですね。
シャ:あぁ、香り。
教授:元々お香が好きで、コンサートでも舞台袖からお香を焚いて、僕自身もリラックスしながら弾いたり、お客さんにもリラックスしてもらおうって、焚いたりはしてたんですけど、前から。
シャ:はい。
教授:で、家でもお香は焚いたりしていて。
シャ:お茶とか、コーヒーっていう飲みものでいうと、教授は今コーヒーの時代なんですよね。
教授:コーヒー元々大好きなんですよ。50歳くらいまではそれこそ寝る直前にもダブルエスプレッソを飲んだりしてたんですけど、やっぱり50歳過ぎると体が変化してきて、カフェインをあまりとれなくなってきたんで、けどまあ日本茶、緑茶は大好きなんで、今でもたくさん飲むんですけど。最近、コーヒーが体に良いっていう説が出回ってきて、あ、いいんだ、じゃあ元々好きだからこれはいいわい、って思って、また自分で挽いたりとか、ドリップコーヒーを淹れたりし始めまして。
シャ:それはペーパードリップですか、ネルドリップですか。
教授:ペーパーです。
シャ:ペーパーで。今日、教授にひとつ手土産を持って来まして。
教授:えぇ~
シャ:コーヒー好きということだったんで、いつも僕と一緒に仕事をしている東屋さんって会社が東京にあるんですけど、その東屋さんが仲良くしている、あー、でも今はもう無くなっちゃったんですけど、大坊珈琲さんって表参道に有名な珈琲屋さんがあって、その大坊珈琲の大坊さんが、自分で調整したドリップポットっていう。(自ら開封し始める)。
教授:へぇ~。
シャ: これ自分で開けちゃってるんですけど、なんか間違ってますかね。
若木:あー、ちょっと、わかんないです。
教授:わかんないですか。
シャ:あーすいません…(パニック)。
若木:写真的には全然大丈夫です。
シャ:あー、すいません、なんかちょっと色々混乱しちゃってるんですけど、こういう。(披露)
教授:ほぉ~。
シャ:先をすごく細く、大坊さんが叩いて、調整した。
教授:へぇ~。
シャ:大坊さんと東屋さんがイベントしたときの、コーヒーのポットと挽き方の説明なので、よければ。
教授:全くの素人で、見よう見まねなので。
シャ:これはプジョーのミルなんですけど、一番最初の。(パンフをみながら)それで挽いて、コーヒーを淹れるっていうイベントだったみたいなんですけど。
教授:はー、なるほど。
シャ:とにかく、細くお湯が出せるように、大坊さんが全部自分で叩いて調整したやつで。あんまり出回ってないので、新品が無いんですよ。で、東屋さんの周りに3個だけあるっていうことだったんで、一番きれいなやつを奪い取ってきたので。
教授:うれし~。
シャ:よろしければ。
教授:普通にやると、ドボドボって出ちゃって、よくないんですよね。
シャ:はい。
教授:だから、あのお湯を注ぐのが難しいんですけどね、なるほど~これならいいな。
シャ:これだと相当細く注げると思います。
教授:これは嬉しい。わー、これ、お土産?
シャ:お土産です。
教授:嬉しいです。
シャ:色々探したんですけど、僕らが扱っているマグも愛用いただいているっていうことだったんで。
教授:そう。日常的に。
シャ:僕、このブランドのものをたくさん扱っているんですよ。
教授:あぁ、そうなんですか。これはフィンランド?
シャ:はい、フィンランドです。
教授:しょっちゅう行かれてるんですか?フィンランド。
シャ:はい、一年に少なければ1回ですけど、多いと4回とか。ものを作りに行ったりとかしてます。
教授:どうですか?フィンランドって、僕行ったこと無いんですけど、美しいところですか?
シャ:そうですね、人も優しいですし、町もそんなに大きくなくて静かなので、一人でふらふら歩いても何にも怖い事ないですし。あと、なんかフィンランド語って発音しやすい。読むまま話せばいいっていうか、ローマ字読みすればそれで通じちゃう、みたいな。
教授:アジア系の言葉なんですよね。
シャ:なんか似てるんですよね。
教授:うん、ヨーロッパには無い言葉ですね。フィンランドとハンガリーが共通のルーツなんですよね、フン族っていう。フィンランドのフィンはフンから来ているし、ハンガリーのハンもフンから来てるんですよ。
シャ:そうなんですか。
教授:だからフン族系なんですって、あそこは。系統からすると。
シャ:だからあの国だけちょっと違うんですね。
教授:だから北欧の中でも、違いますよね。政治的にもちょっと違いますよね。面白い。アジア系だから、とても親近感を持ってはいるんですけど。音楽も面白いですよね。フィンランドの音楽はね。
シャ:あ、そうなんですか。僕はもうフィンランド行くと、ヘビメタばっかだなって思ってますけど。ものすごいロックな人たちが多いので。あんまりフィンランドの音楽と食事には興味がわいたことは無いんですけど…。
教授:フィンランドの人って静かじゃないですか。
シャ:はい。
教授:でもヘビメタが好きなの?
シャ:えぇ。
教授:でも静かですよね。あんまりしゃべらないでしょ、おしゃべりないでしょ。
シャ:地味ですよね。
教授:寡黙ですよね。
シャ:生活も静かだし。
教授:フィンランドの映画もすごく静かですよね、そこも僕は好きなんですけどね。フィンランドのバンド、ユニットで、パンソニックってパナソニックみたいな、もともとパナソニックっていうバンド名だったんですけど、訴えられそうになって慌ててPanとSonicと二つに分けて、パンソニックにしたんですけど、彼らと割と仲が良くて。で、一緒の部屋にいるんだけど、会話するのに30分に一言くらいですもんね。
シャ:それは少ないですね…。
教授:ボソって、会話になってないんですけど。
シャ:えぇ~。
教授:禅の坊さんが3人くらいいるみたいな感じで
シャ:それはかなり不思議な人たちかな~。僕の周りのフィンランド人はそこまでじゃないですけどね。
教授:あ、そこまでじゃない?あいつら特別なのかな…いや、みんな静かで良いな~って思ったんですけどね。
シャ:フィンランド人は、ものすごいお酒飲むなっていうイメージはあるんですけどね。
教授:あのね、寒いところの人は飲みますね。僕、アイスランドが好きで結構行ってるんですけど、ものすごい飲むんですよね。尋常じゃないくらい…。
シャ:ねぇ、ビールやワインじゃ酔っ払わないからって、途中でウォッカ入れて…。
教授:そうそう、金曜の夜から、土曜の朝まで大騒ぎで、土曜の朝になると、そこらじゅうにビール瓶の破片が街に飛び散ってるっていう。
シャ:あ、ちなみに教授がご自宅で使っていただいているSheepSkinはアイスランドの羊です。長毛種で毛が長いアイスランディックシープの毛なんです。
教授:アイスランドもいかれました?
シャ:いや、まだ行ったことなくて、今一番行きたいところなんですけど。
教授:近いですからね。
シャ:車でちょっと走ってみたくて。
教授:いいですよ~。アイスランドは結構大きな島なのに、人口は30万ちょっとしかいないんで、本当に自然が豊かで、って豊かっていってもアイスランドっていうくらいなんで、そんなに木も多くないけど、でも、美しいですよ。
シャ:フィンランドも田舎の方に行くと、風景はすごいきれいですね。ずっと車でまっすぐ走ったりして。
教授:そうでしょうね~。
シャ:すいません、なんか色々。
教授:あぁ、僕の話しなきゃいけないか。
シャ:あーいえいえ、皆さんに入っていただいて、できれば次の、タオルに続く第2弾の開発会議ができたらどうだろうかって思っているんですけれど、いかがでしょうか。
教授:ぜひぜひぜひ。
シャ:スコープのモノづくりとしては、今の日本の、買って捨てて…の繰り返しから完全に脱しようと、いうところを目指してまして。なので、一番いいのは、僕たちが作って、売ったものがみんなの手元にあって、それが子供にも行って孫にも行くっていうレベルのものを売りたいし作りたいって強く思っていて。なので、フィンランドでこういったものを扱う時も、扱う前に、1930年くらいの昔のものから一回ザーッと集めてみて、それを僕らの生活に落としこんでみて、使ってみて、ということを繰り返していってるんですけど。
教授:素晴らしいと思います。まあコモンズも僕らもそうで、長持ちする音楽、世代を越えて受け継がれていくような音楽を作りたいということは、いつも思っていますけど
シャ:いや、でももうそれ完全にできてると思うんですけど。
一同:笑
シャ:ちょっと言葉にならなくなっちゃいましたけど。
教授:あのーまぁちょっと余談ですけど、僕が割とよく使うニューヨークのスタジオで、アバターっていうスタジオがあるんですけど、そこで80年代に「NEO GEO」を作ってた時はほとんど住んでた感じで、3ヶ月4ヶ月そこにいたんですけど、今でもほとんど変わって無くて、内装とかもやっぱり木がたくさん使われているんですけど。面白いのは、そこで使っている古い真空管のEQとか、コンプレッサーとかプロ用のものは、60年代のものを使っていて素晴らしいもので。当時作ったエンジニアを探してきて、今はもう80歳くらいのおじいちゃんなんだけど、その人にメンテナンスさせてるんだよね。
シャ:へぇ~。
教授:そうやって大事に大事に使ってる。そういう発想が素晴らしいなって思ってるんだけど。
シャ:すごくいいですよね。今回も、教授の愛用のお皿が、スコープに届いたら、割れていた、という…。
教授:ん??
シャ:ものを作るサンプルとしてお借りしたら、僕が割ったんじゃないですよ、宅配便で届いたら割れていたっていう。
教授:あららら…。
シャ:で、金継ぎしたんですよね。本漆で半年かけてきっちりやったので、かなりきれいになって。
教授:金継ぎ良いですね~。
シャ:あれは結構、東屋の社長さんも自ら何度か足を運んで、ここはもっと細くとか、ここは太くっていうディレクションを完璧にしたから。
教授:すごい!
シャ:一応、教授のやつだから!っていうことで、みんな気合を入れて金継ぎさせていただきました。でもその時色々と勉強になったこともあって。金継ぎって僕らの中では1カ月くらいあればできるもんだって思ってたんですけど、半年かかったんですよ。結局ちゃんと聞いたら、今の金継ぎって言うのはざっくり接着剤でつけちゃってるらしいんですよね。本漆で継ごうと思ったら、半年は絶対にかかるっていうのがわかったんで、ひとついい勉強になったなって思って。
教授:そうなんだ。
シャ:でもそうやって考えて、思いついたアイデアなんですけど、例えばああいう借りたような白磁のお皿を手挽きで写して、コンサートで売るっていう発想をすると、あのお皿は作る段階でいくつかは焼く時にわれたりすると思うんですよ。それを全部直しちゃえばいいんじゃないかって思ったんですよね。
教授:そうですね、その通りだ。
シャ:それで歩留まりを一番いい状態にして、直したのは当たり、みたいな。
教授:ですよね、金が入ってね。
シャ:そういう風にするのもアリなのかなって。
教授:いいですね。
シャ:そうすると、コモンズさんがやられてることもスコープがやってることも近いので、そのものでまたプレゼンテーションできるのかなっていうふうに思うんですけどね。
教授:うんうん。
シャ:他にも何かお題をいただければ、作りたい物とか。東屋の社長さんも、坂本さんが必要としているものだったら何でも作るから言ってくれ、って。ひとつとか、ふたつとか、まずは教授が使う分を作って。
教授:それはどういう方なんですか??何屋さん?
シャ:日本の道具を主にプロデュースしているんですね、米櫃もあれば、急須も作ってらっしゃるし、あと最近だと、家具もやってますね、紐丁番をつかった衣桁だとか。日本の道具を作っているんですけど、彼がすごく面白いなって思うのは、今だと、「この職人さんがいなくなったらもう作れないです、だから今のうちに買っといてください」っていうマーケティングになっちゃうんですけど、彼はそれをどうやったら続けられるかを考えていて。生産地に投資もしないといけないし、どうやったらその職人さんが食べていけるのかとか、次ができるのかっていうこととかを、僕たちと一緒にやろうとしていて。
教授:すごいね。総合的なプロデュースっていうことですよね。偉いな、それは。
シャ:ただまあ、リアル趣味がすごすぎて、素材にこだわりが強すぎて、前もお弁当箱が欲しいっていう話をしたら、金属だったら銀。純銀で、内側を金メッキにしたお弁当箱が、一番味に影響がないって言ってて。
教授:すごい、いくらになるんだろう、それ。
シャ:そういうちょっとぶっ飛んじゃってる部分もあるんですけど。
教授:かっこいいですね、それ。
シャ:前も、綿棒入れ作ったからって僕のところにひとつ届いたんですけど、純銀で中は金メッキ。一個十何万って言われて。
教授:すごいね。
シャ:常にエディション3で作られてくるんですけど、ひとつは東屋、ひとつは東屋の社長、もうひとつは僕。もしそういうものがお好きであれば、ひとつは坂本さんに。けど、本当に塗装しないとか、箸も磨きだけで仕上げて途装は一切しない、化学が口に入るのが嫌だって。
教授:いやですよね。
シャ:徹底している人なので。
教授:僕もいやですね~。
シャ:漆も絶対に本漆、とか木も無塗装、仕上げはサンダーを使わず必ず鉋で仕上げるとか。
教授:素晴らしい。
シャ:職人から鍛え上げていくっていう。
教授:なるほど。
シャ:と、そういうところなので、もしそういった道具で、ご入用なものがあれば何でもおっしゃっていただいて。
マネ:割と切実に必要な感じなのは、ペン置き。譜面を書くのにどうしても使うので。
シャ:ペン置き。
教授:ペン置きだとか、お香立て、まああとメガネ置き。
シャ:メガネを置くお皿ですか??
マネ:メガネをはずして、どうしても置きっぱなしになっちゃうので、いつも定位置でメガネを置く場所があるといいなって。どうしてもこういう仕事をしていると、電子機器に囲まれちゃうじゃないですか。コンピューターをメインにして。なので、気分的なことなんだけど、電磁波なんかを緩和してくれるような自然素材のものが置きたいんですよね。で、炭を置いたり、アロマを焚いたり、お香を焚いたりとか。
教授:炭も置くよね。あちこちに置いてあるんですよ。電磁波よけ、みたいな。
シャ:そうですよね、電磁波怖いから、僕も寝る時は携帯絶対に電源OFFみたいな。してませんか??
その他:え~、してない…全然。
教授:僕も必ずエアプレインモードにしてる。
シャ:あー、そうですよね。
教授:寝る時も頭の辺りにあると、脳が影響しちゃうからさ。
その他:超影響受けちゃってますよ。
教授:だーめですよ~。
シャ:じゃあやっぱり主に木の素材ですかね。
教授:木ですね~、木がいいですね。
シャ:優しいですもんね、その方がね。
マネ:ペン立ても、譜面を書きなんかに使う鉛筆を置くようなものは、平たいものだったとして、立てておきたい指揮棒とかピアノのそばに置くようなペン立ては、縦型のものがいいんじゃない?
教授:そうだね、指揮棒とか物差しとかは譜面書く時に使うんですけど、ちょっと長めのものは筒状の陶器のものとか、陶磁器のものの方が良かったりとかしますね。花瓶とかは太すぎちゃって横に倒れすぎちゃう。ガラスのコップだとちょっと細すぎたり、背が低くて倒れちゃったり、丁度いいのがなかなか無いんですよね。
シャ:なるほど。
教授:指揮棒、まあこんなもんですかね(手で30~40cm)
シャ:でもそういったものを作れば、普通の人は定規を入れたりとかそういったことで活用できるわけですもんね。
教授:そういう文房具ですよね。
シャ:それはなんか、出来そうな感じがしますね。
加藤:確かに広すぎると、中のものが広がっちゃうみたいなことはありますよね。結局そんなに詰め込んだりもしないわけですもんね。
教授:使う時にぱっと抜きたいし、詰め込んであるとさ、倒れないようにって思って抜きづらくなっちゃたりしてね。
シャ:かといって、あんまり大きいと邪魔だし。なるほど、やってみるの面白そうですね。
教授:そうですね。
シャ:僕も考えてみます、一生懸命。
マネ:でもほんとに自分が欲しいのは、お香関係。坂本はとにかくしょっちゅうしょっちゅうお香を焚いていて、まあアロマもそうなんですけど、使うのも運ぶのも実は結構難しい。
教授:あのね、例えば長いお香だと、灰が広がって散っちゃうんですよね。で、しょっちゅう拭くんだけど、めんどくさい。それから使うお香にもよるんですけど、穴が大きすぎると横に倒れちゃうから、丁度いいものが欲しいでしょ。そしてちゃんとピシッと立っていて、で、まあ当然灰は落ちてくるんですけど、ちゃんと受けて、ワンショットでポンっとゴミ箱に捨てられるような広さが。
シャ:どこのお香っていうのはあるんですか?
教授:大体松栄堂っていう、京都のお香を使ってます。長いのもありますけど、大体こんなもんですね。
マネ:旅が多いので、松栄堂さんで売ってる旅に使えるお香を入れておく木の筒とかも買ってるんですけど、不思議なことにその松栄堂さんの一番気に入っているこれくらいの長さのがその筒に入らない。
一同:笑
マネ:折るしかない。
一同:苦笑
マネ:長いのを買って折るのか、ものすごく短いのを買うか。でもそれだと半分くらいなんですよね、その筒の。で、丁度好きな長さのはそれにおさまらないっていう。だからいい木の筒でそこにそのお香立ても一緒に入れられて、携帯に便利みたいなのがあったりするといいなと思います。行く先々でお香を焚きたいタイプなので。
教授:泊ってるホテルとかでもよく焚いちゃうんですけど、いい迷惑だよね、次のお客さんもいるのに。
シャ:そんなことはないんじゃないですか?
マネ:ちょっと抹香臭い感じがするから。
教授:外国人とか、わかんないよね。
マネ:よくホテルであるのが、灰皿にお香立てを置いてそこで焚いて、帰ってくるとそれが片付けられちゃってるっていう。
シャ:ああー。
教授:もう大騒ぎ。無いんですけど!ってすぐにハウスキーピングに電話して。
シャ:灰があるから。
マネ:灰と一緒に片付けてあるっていう。真鍮のかわいいのとかあったりするんですけど、あぁ無い!みたいな。
シャ:それは大変なことになりますね。探すのも大変だし。
マネ:だからやっぱりどこかの備品を使わずに、旅行で持ち運びがしやすい、お香の収納もできて全部がセットになっている。で、ぱっと広げたらお香が焚ける、、、
シャ:でもそういったものは、ファンの人はみんなそれをシェアして、同じようにやってみたいって思いますよね。
教授:たぶんちっちゃい引き出しみたいのがあって、それこそ日本の小さいタンスじゃないけど、そういうもののミニチュアで、まあ茶道具みたいな感じで、引っ張り出せばゴミ箱の代わりになるというか、灰が落ちてもそこに溜まって、引き出しの中をポンと捨てて、で、そこに収納してしまえば、そのまま旅行に持っていけるみたいになってると、とても便利だよね。
シャ:はー、なるほど。
マネ:やっぱり細長い、長方形みたいのがいいのかな、きっと。
教授:でもある程度は、灰が落ちるから広さは必要でしょう。
マネ:引き出しを出して上のところにお香をさして、灰は下に落ちる
教授:まあこう傾斜してたらね。細長く灰は落ちるよね。まあそれはそうですね。
シャ:ははは。
教授:傾斜させますか。
マネ:まっすぐ立ってるとお線香になっちゃうから、ちょっと斜めがいい。
シャ:イメージ的に。
加藤:佇まいの問題ですね。
シャ:でもそういうのもちゃんと良い素材できちって作れば、きれいだしずっと使えるし。昔フィンランドで買った木のボックスにガラスのボトルが2つとショットグラスが8個入ったセットがあるんですけど。
マネ:あーすごい素敵。
加藤:かっこいいんですよね。
シャ:そこにみんなウォッカとか入れて、持って行くんだろうなと思うんですけど。で、革のベルトが付いてて、全部木組みの箱できちっと作られてるんですけど。
教授:ピクニック用なのかしら
シャ:そうだと思うんですけど。
教授:ピクニック用品もいいよね。
加藤:理にかなってますよね。
教授:編んであるバスケットとかも、革とか金具がついてたりしてそういう組み合わせもいいですよね。
シャ:あと、ポルトガルの毛布とかも。僕が向こうで一回、本当に羊飼いの人たちがいる世界っていうのがあるんですよ。ほんとに羊としゃべっているような人たちがいて、夏になると山の上に羊を連れて移動して何カ月もそこに生活して、帰ってきて。で、本当に毛を刈ってその茶色の羊と白い羊とで柄を編むんですけど。で、湧水で洗って。そこのやつも、水をグッと吸わせるとものすごく縮んで、撥水性がでて。もともとはマントを作ってたんですけど、そういうのでピクニックシート作ったらめっちゃおしゃれなんじゃないかと思ってたんですけど。ピクニックはされないですよね。
教授:しないですね。
マネ:ピクニックシートですけど、日本に来て特に桜の季節だったりすると、あのブルーのビニールシートが絶対に許せなくって。
教授:あー許せない。そうだね。もうカンカンだね。
シャ:カンカン。
教授:だって、せっかくお花見っていう素晴らしい伝統があるのに、それを楽しんでいるのに、使っているものがあんなに醜い。あれだけはやめてほしいなぁ。御座にしてほしい。
シャ:まあそうですよね。
マネ:ちょっと湿っちゃうから、オイルステンになってるとか。
教授:良いね。
シャ:そういう自然素材に持っていければ。
教授:素晴らしいです。
シャ:僕もそういう風に素材をきちって作っていくと、やはりものって廃れないし、後からそれを欲しいといってくれる人もいるし。けどそこに化学のものが入ると、そこだけきれいなままだったりして気持ち悪くなってくるんですよね。
教授:そうですね。
シャ:そこがキーかなって思って、残るものを作るっていうのを心掛けているんですけど。一気に方向転換をしようとしていて、教授に聞いてみたいことがあって。
教授:ん?
シャ:僕も、ものを作っていくのに、それがどうやったらみんなの中で廃れないのか、とか価値を失わないのか、っていうことをずーっと考え続けていて。いろんなデザイナーがどこを重視してこのものを作ったんだろう、とかいうことを実は考え続けているんですけど。坂本龍一さんの音楽って僕の中でも完全に、懐かしさすら感じない部分があって。
教授:そうなんですか。
シャ:ええ、久しぶりに聴いても、全く懐かしさっていうものがなくて。どうやったらあんな音楽が作れるのかっていうか、どういうところを重視してというか、大事にして音楽を作ると廃れないのかとか。
教授:なんも考えてない。
シャ:あーでもそれひょっとして、僕ずっと考え続けた先に思ったのが、あんまり考えずに素でやるっていう。
教授:うんうん。
シャ:その素をいかに高めるかっていうことなのかなって最近ちょっと思ってたんですけど。
教授:まあ音楽を作っている時は何も考えてないんですね。えぇ、こうしてやろうとかも。まあもちろん細かいテクニカルな作業として、ああしたりこうしたりっていう考えはあるんですけど、全体としては何も無いっていうか。それこそ「音楽図鑑」なんかは過剰なくらいに意味付けとか、冊子も出したりとか言葉をたくさんつけて意味付けしてますけど、あんなのは全部後付けで。作っている時はむしろ何も考えずに作ろうっていうのがテーマだったりしたので。
シャ:ふーむ。
教授:タイトルだって全部後からつけるもんだし。
シャ:あぁ、そうなんですねー。
教授:まあ音楽だからそうなんですよね。こう使うものっていうのはそういうわけもいかないでしょうけど。でも何でしょう、残るものって、飾り気がないっていうかギミックがないっていうか本質的なものっていうか。そういうものが永く残るような気がしますけどね。
シャ:やりすぎてないものっていうことですよね。
教授:うんうん。
シャ:このマグをデザインしたオイバ・トイッカっていう84歳のおじいちゃんがいるんですけどその人に、この作品のコンセプトは何ですかって聞いたら、コンセプトなんてない、って言われて。お前はそんなこと考えてものを作ってるのか、ただ青が使いたかった、それじゃあダメなのかって言われて。あぁそういうことなのかって。
教授:僕の好きな、友達でもあるんですけど、大竹伸朗っていう画家がいて、四国の宇和島に住んでるんですけど。現代美術の作家ってことになってるんですけど。今の現代美術って、コンセプトとか哲学がないと成立しない世界らしいんだけど、大竹伸朗はそんなもんはねぇって、描きたいから描いてるだけだって。とにかく素晴らしいアーティストなんですけど、大竹伸朗以外、ほとんどそれじゃあ通用しないんですよね、今は。
シャ:うーん。
教授:こういう「もの」もそうかもしれないけど、情報過多の社会だから、常に何かの説明を必要としてるっていうか、説明する方もそれで満足するところがあるし、買う方も説明聞かないとわかんないみたいな。音楽ですらそういうところあるでしょ。音楽なんて一番直感的なもんだから、説明なんて本当はいらないはずなのに。聴いてただ好きか嫌いかって、それだけでいいわけなんだけど。
シャ:はい。
教授:難しい世の中ですよね。
シャ:そうですよね。でもそれでいいものを作るってすごい難しい。何も考えずにぱっと作るものが認められるものにならなきゃいけないって、その素を相当高めていかないといけないわけですもんね。
教授:でもね、自分でもたくさん曲があるじゃないですか、1000曲以上あるのかな?良いものも悪いものも当然あるんですけど、やっぱり考えて作ったのはダメですね。
シャ:あぁ。
教授:明らかに。自分でよくわかります。頭でひねくり返して色々、それからまあ、もっと悪いことはマーケティングとかさ、そんなこと考えて作ったこともありますけど、そもそも全然マーケティングにもなってないし。たとえば小室さんみたいな、そういう才能が僕には全く無いので、マーケティングをしてその通りに作ってちゃんと結果も出す、みたいな、小室さんはそういうすごい才能があるから。僕は全く無いんです。ちょっと真似してそういうようなこともやったこともあるんですけど、全然結果も付いてこなくて、向いてないし。音楽的にも、そうやって頭で考えたものは全然駄目だなって思います。だから残っているものは、とにかく自分でどうやって作ったのかも覚えてないみたいな曲はやっぱりいい。
シャ:えぇ。
教授:ほとんど無意識みたいな。
シャ:じゃあ昔の曲とかも、こう聴き直して、ここは今だったらこうするのにな、みたいなことってありますか。
教授:それはもうできちゃってるものだから、あんまりそれをいじろうとかそういうのは無いんだけど。
シャ:全くない。やっぱり素ですね。僕も色々やってくと、難しくなってきてこうすればもっと売れるとか思っちゃうともう絶対ダメだなって。
教授:やっぱりそうでしょ?
シャ:そういう風になっていきますね。
教授:そうですよね。
シャ:素でやるっていうことは、その素を高めないといけないっていう、そういうことですね。
教授:マーケティングってこう、代理店さんたち、彼らのためにあるコンセプトで、僕ら作り手にとってはあんまり関係ないんじゃないかな。
シャ:僕も常にそう思って、あんまり無茶なことやりすぎて、社員のみんな心配してるんですけど。
教授:ちょっと水ありますか。
シャ:あー、もう時間がヤバいですね。
教授:あぁ大丈夫ですよ。
シャ:僕、いつか、でいいんですけど坂本龍一さんのこんなCDがあったら買いたいっていうのを考えてみたんですよ。
教授:なるほど。教えてくださいよ。
シャ:ははは(焦)それは多分、もう無茶苦茶な話なんですけど、例えば僕の家にピアノがあって坂本龍一さんが来てばばっと弾いて帰って行ったっていう体のすごい生っぽいのがあったらいい、すごい。
教授:そういうことはよく考えますよ。
シャ:そういうのはやらないですか。
教授:やってもいいなって思いますよ。あの、誰かのお家へ行って一人のために弾くっていうのはあってもいいなって思うし。
シャ:あぁっ、そうですか。
教授:例えば日本のお茶のこと考えると、主人がいて、お客はせいぜい4、5人で、狭い空間で、まあお茶飲んで、おいしいって言って帰るみたいな、そういうようなあり方でもいいなとは思ったりしてるんですよ、そういうのもやりたいなって思ったり。
シャ:あぁそれ絶対に、ぜひ、あー、やっていただけたら、なんて、あの。
教授:あ、じゃあぜひ最初のお客で呼びましょうか。
シャ:えっ…やったー!
教授:ははは、茶室みたいなのを作って、ピアノがあって、4・5人を呼んでおいしいお茶でもコーヒーでも飲みながら、まあ今日の気分を聞いていただいて、午後のゆったりした時間を過ごすっていう。
シャ:そういうのすごい、ものすごい、そう、スコープの中で写真を撮る時も、テーブルをセッティングしてイメージフォトってやっちゃうともう今は伝わらないので、成戸とかもそうなんですけど、一週間合宿で別荘借りて、スタッフとみんなで住んじゃうんです。その中で出てくる料理とかを全部撮っていくんですけど。
マネ:あー、そうなんですね。
シャ:で、しょっちゅうそれをやっているので、そろそろ若木さんに写真を撮ってもらおうかなって、さっき無茶なお願いをしてたんですけど、なんかそういう風にして、生にしていくことによって、やっぱお客さんは感動するっていうか共感してくれるっていうのがわかって。
教授: うんうん
シャ:やっぱりリアルじゃないところじゃないと見えてこない。そこで今も大阪のgrafさんと。
教授:あー、服部君ね。
シャ:えぇ、いま一緒に家具を作ろうって言って。
教授:へぇ、いいですね。
シャ:で、家具を作るに当たって、僕先ずマンションを買ったんです。grafのリノベーションしたマンションを。で、そのデザインした子に、予算振り切ってもいいから、もう一回好きにリノベーションしようって言って、マックスできた箱に対して、必要な家具を一個ずつ作っていくっていう。
教授:はい。
シャ:でもその前に、ヴィンテージの名品はいくつか置いておいて、それに見劣りしないものを作ろうとかって、ちょっとハチャメチャなことをやってるんですけど。
マネ:ハチャメチャですね。
教授:あのね、お茶のつながりでいくと、そのお茶室の数寄屋造りの京都の職人さんに話を伺ったんだけど、図面がないんですってね、昔から今も。何でも一対一の本物を作っちゃって、それでここをこうしようこうしようってやって、工務店でね。それであー出来たっていうものを、それと同じように作るんだって。だから同じだよね、発想が。本物っていうことですよね。
シャ:その時は、彼らgrafもいくらで売れるようにって予算内で作ってたから、でも予算がなかったらどうするかっていうところで、一緒に話し合って、じゃあもうやっちゃおうって今やってます。で、これからマンションが今月末にできるので、今度は家具を作っていくっていう非常に気の遠くなるような作業なんです。
教授:えぇ。
シャ:でもそうすると、その家具もずっと使い続けられるものになってくるんじゃないかな。
教授:まあそうですよね、絶対そうですね。
シャ:そう、そんなリアルな視点でものを作っていこうっていうのを徹底してるので、そこに音楽もリアルに寄ってきてくれるとものすごく良い。
教授:良いですね。
シャ: なんていうことをハチャメチャにお願いしちゃって大丈夫かなって、ちょっと…(少し冷静になる)。
教授:良いですね。 だからじゃあそういう空間を作りましょうよ、なんて。
シャ:空間をまず東京に作る。
教授:東京でもどこでもいいんだけど
シャ:お茶室みたいな。
教授:まあお茶室にこだわることはないけど、まあピアノはおけた方がいい。
シャ:まあそうですよね。ピアノの置ける。
教授:ピアノを置いて、5人といわず、10人くらいでもいいんだけど、呼んで、お茶でも飲みながらゆったりピアノを聴くと。そういう空間?
シャ:はい。
教授:そこにあるべき机とかは、どういうものかっていうね。
シャ:あーもう完全に貴族ワールドですね。でも面白いですよね。そういう振り切ったものっていうのは面白いですもんね。
マネ:今音楽が売れない、音楽という商品がなかなか売れない時代になっていて、でも音楽聴く人はいっぱいいるんですよね。今回スコープさんと何か一緒にできないかと思った時に、その、スコープさんが扱っている商品とか、webサイトの写真なんかを見ていると、ああいう場所でどういう音楽を聴いてるんだろう?って考えた。そういうところに何か突破口があるんじゃないかなって思うんです。生活の中で聴かれる音楽っていう。そういうものがどういう風に届けば聴いてもらえるのかなっていうことをずっと考えていて。
シャ:あぁー。
教授:やっぱりそうですよね、場所と音楽って密接なんですね。で、よく違和感を感じることがあるんですけど、例えば中華を食べに行って、ボサノバがかかってるんですよね。
シャ:ははは。
教授:すごく違和感を感じるんだけど、だけど待てよと。だったらその中国風のあの二胡の様な音楽がかかってれば合うのかって、それも違うよなーって。けど明らかにボサノバじゃないよなって。ここには合わない、ズルズルっていう…何だろうってよく思ったりするんですけど。
シャ:うーん。
教授:場所と音楽って密接、関係が深いなって。
シャ:そうですね。特にお家で聴く音楽って、みんなたぶん流行りっていう部分で取り込んでいる部分があって、その生活に向いて何か作られたものって、実はあんまりないですよね。
教授:そうだね。
シャ:生活、そのお昼ご飯とか晩御飯、家族の誕生日みたいな時に、ご飯食べてる時に流れる音楽とか
教授:まあ僕の好きな昔のフランスの作曲家のエリック・サティって言う人が、家具の音楽っていう発想を考えたんです。
シャ:はぁ。
教授:壁紙の様な音楽、邪魔にならない、居心地がよくって、だけど良いものっていうかな、そういう音楽って発想。まあだから環境音楽みたいなものをはじめて考えた人なんだけど。
シャ:はい。
教授:参考になりますよ。
シャ:そうですね。でもなんか、ちょっと可能性が出てきちゃってるっていうことですかね。
マネ:めちゃめちゃ出てきちゃってる。
シャ:あは、あははははは…。
マネ:私たちもすごく、なんか別なやり方でできるんじゃないかって思える気持ちになりました。今回初めて。
シャ:いやいや、それはだけど、うちのお客さんみんな欲しいって思うものだと思う。マグカップより売れるんじゃないのかなって。どれくらいCDって売れたらいいものなんですか?っていうのが全然わかってないんですけど。
マネ:問題は、これまでのCDの歴史、30年くらいの中で、CDは1枚だいたい3000円くらいのもの、っていうのが業界内コンセンサスで決まってること。
教授:あんま意味ないよね。
マネ:そう、実はあんまり意味というか理由がなくて、その3000円の中に入ってる音楽をどれだけお金をかけて作っても、あんまりかけてなくても大体3000円なんです。それどうなのっていう。
教授:定価制度だったからね。
マネ:そう、もともと定価制度だったから。
教授:だから一億円かけてつくっても3000円、100万でも3000円。そんな商品他にあんまりないでしょ。
シャ:まあそうですよね。純銀とプラスチックがおんなじ値段。
教授:そうそう。
マネ:全くおかしい。大工さんが一生懸命鉋かけたのと、機械でじゃーってやっちゃったのがおんなじ値段っていう世界で、それが多分今、音楽業界がちょっと壊れている根本原因じゃないかなって私は思ってます。加藤さんはものすごく優秀な音楽の業界のプロダクト管理やっているので、当然コスト意識を持ってプロの仕事をしてて、「コスト度外視」みたいなことを「どうかな?」って思ってしまうと思うんですが、それはまず考えずに、どういう風に音楽を作って聴いてもらえばいいのかっていうところから始められたら..。もしかしたら一万円でもいいのかもしれない。洋服なんかもそうですよね。すごくいいカシミアで十万円だったら、それでも買いたいっていう人もいれば、十万じゃ買えないから一万のでいいっていう人もいるかもしれない。そういうふうにやったほうがきっといいんじゃないだろうかと思いますね。
シャ:っていうこともできるっていうことですね。
マネ:全然、できます。
シャ:今そういう決まりはなくなって。
マネ:今私たちavexさんにお世話になっているんですけど、そこではまだどうしてもCDはだいたい3000円くらいという考えが残ってるのでかなり難しいんですが、じゃあ今回みたいにスコープさんと何か別のことやってみようか、っていうことになれば、音楽業界のルールにとらわれずに考えられるから。
教授:自由だね。
シャ:それは素晴らしいですね。ものすごい。
教授:っていうか、だからまあCDっていう形は結果であって、お茶室みたいに5人来ます、で生で弾きます、午後の2~3時間のいい時間を過ごしますっていう、そういう商品があってもいいわけじゃないですか。まあじゃあ5万円いただきますでもいいんだけど。そのお土産っていうか、その思い出にその日のCDをお付けしますよっていうパッケージのCDで、そういうものでもいいわけですよ。
シャ:それはもう、参加する人すごいですね。もうそこで生で体験しちゃうっていうことですか。
教授:そう、生で体験して、で、帰る時には今日聞いたその生のやつをCDとしてお渡しするっていう。
シャ:それすごいですけど、あれですね、大変ですね。
教授:いやいや。
湯田:今は結構、ライブの後にその日の演奏をCDで渡すっていうのができる時代で。
シャ:えぇ、そうなんですか?
教授:えぇ、いけます。
シャ:へぇ~。
マネ:そういうこともできます。あと坂本がもう一つ、オブジェの様なものから音が聞こえたら、みたいなことをしょっちゅう言っていて。
教授:あぁそうだね。
マネ:インテリアのオブジェクトがあって、そのオブジェクトから聞こえる音楽を作るとか、音楽だけで単体で成立させようっていうことではなく、さっきの家具みたいなこととちょっと近い発想かなって思うんですけど、アロマのように漂う音楽とか、まあいろんなことを言うんです。なんかそういうものでもいいのかなって。
シャ:すごい今ちょっと難しすぎて、ちょっと、はははは…音が出るスピーカーがっていうことですよね。
教授:まあスピーカーじゃないといけないんですけど、でもただみた目はスピーカーではなくて、かわいい置物であったり、なんかこう変わった形のものがあって、そこからアロマのように音が出てる、でまあ気分によって変えたかったら、アロマを日によって変えるみたいに音も変えられるっていうふうにしとけば飽きないかな。
シャ:あぁ、もうオブジェの中に音楽が。
マネ:音源が入ってるっていうことです。その音源自体は、例えば通信できるようになってれば、新しい音に入れ換えることもできる。そういうのは技術的にいくらでもできると思うんですけど…。音楽が分離してるんじゃなくて、インテリアの一部になっている。
教授:って言う話を、京都ベースの名和晃平くんっていう現代美術のアーティストに話したら、面白いって。そういうものをぜひ作りたいなとかいってましたけどね。
シャ:それたぶん、誰も考えてないことですもんね。はは、だれも考えてない…。
教授:そういうビルがあったらといいなって思ってたんですけど。あの、近寄ると匂いの様に音がしている。しょっちゅうワーッてなってたら、そりゃうるさいから嫌になっちゃうけど。たとえばレンガが好きって話したけど、レンガって手触りもいいけど、匂いも近寄るとするでしょ。建築も匂いがあるじゃないですか。アロマがあるじゃないですか。匂いの様な音楽っていうのはいいなってずっと永いこと思っていて。さっきの壁紙、家具の音楽に近いかもしれないけど、そんなことも考えてる。まあそれはちょっと実現するかどうかわかんないけど。
マネ:ビルはね〜。とはいえ振動性のスピーカーっていうのが技術開発が結構されていて、こういうところに貼り付けるだけで、それがスピーカーになるっていうのもあるんですよ。(机の裏側をさわりながら)
シャ:あの、猿山っていう骨董屋さんがあるんですけど、そこが確かそういうのを付けて壁をスピーカーにしてる。ちょっと斬新な感じでした。
教授:スピーカーの形がみえなくて、ここに貼り付けとけば、なんとなく全体が鳴ってる。
マネ:音響機器って無骨なものが多いんでイヤで…。これ置きたくないんですけどっていう機材が、音を聴くために仕方なく置く…っていうことがあるので、そういうこともアプローチのひとつとして考えられたりするのかなって思います。
シャ:いや…なんか、考えてみます。それができるかどうかはわからないですけど。でも、CDとかそういうのができたらまずは面白いと思って、そんなことができれば。なんか多分うちのお客さん、みんなそういうのを求めていて、なんとなく大人になっていくと忙しくて、そういうのを聴く時間もなくて、英語を勉強しないとってずっとヒアリングとかして過ごしていると、たぶんYouTubeで昔聴いてた曲とかを聴いたりして、あー懐かしい、みたいなところで終わっちゃうと思うんですよね。家でこうほんとに生活する時に聞く音楽っていうのは、生活に向いた音楽っていうのは、たぶん画期的に人の生活を変えるような気がするので、そんなことができたら是非。
教授:是非。笑
シャ:時間が、もうそろそろ、あれですね。
サインタイム
シャ:お客様へのプレゼント用に、サインをお願いします。
マネ:シャチョウが、コモンズの、ジョナサンのロゴが大好きって。
シャ:あれはすごいかっこいいですよね。
教授:いいですよね。
マネ:好きすぎちゃって、袋にして全面に。タオルがそれに封入されてるっていう。
教授:合いますね。
シャ:このマグにもロゴをみっちり入れたらどうかっていう。
一同:笑
シャ:なんでもロゴをみっちり入れる…。
教授:(黙々とサイン。)はい。
シャ:あっ、僕のメモリアルフォトを、一枚いいでしょうか。ちょっと大きく引き伸ばして、記念に飾ろうと思って。
教授:はい。
シャ:あっ、ありがとうございます。あ、最後に一枚だけ若木さんと3人でも写真いいですか。僕、お金をいっぱい貯めたら、若木さんに映画を撮ってもらって、教授に音楽を付けてもらったら最高だなっていう、壮大なプランを勝手にイメージしていて。
教授:ほぉ~。
シャ:撮影はフィンランドで。
教授:あ、すごい。
マネ:撮影はフィンランド!?
教授:フィンランド行きたいです、私も。
シャ:ありがとうございます!あー人生で最も緊張した一日だった。
教授:ははは
加藤:平井さんの緊張がつたわっちゃって、私まで緊張しちゃいました。
教授:あんなところに沼がある。面白いね、タモリさんに解説してもらわないと、ブラタモリで。いいねぇ~
シャ:本当に長い時間ありがとうございました。がんばります。
教授:はは。再度握手。
シャ:ありがとうございました。
教授:よろしくお願いします。
2015年10月22日
シエッポを見て、オイバがどれもいいじゃないかと言う理由。
シエッポってのは、どうも他のバードと違う。加えて復刻シエッポとも少し違うものを感じるから、最初のシエッポは独特だ。スコーププレゼンツ、4度目のシエッポは、その初期シエッポと同じ匂いにしたくて、形だとか大きさだとか、考えに考えて、あれやこれやと調整し、修正しまくってきたのだけれど、結局のところ、多少の形の枠組みは必要にしても、あとは口を出さずに素直に作る事こそが、シエッポの魅力を最も高めるのだという事に気付いた。シエッポにはこれという理想形があるわけではなく、生産工程の積み上げ、つまりその作り方がシエッポなのだ。信頼する腕の良い職人が勢いよく作るからこそできる物。だから別の場所で作るとおかしな事になる。プッと膨らませ、ハサミでチョキンと切り込みを入れ、片方は丸く整え頭にし、片方は潰して尾を作る。コテで体の形を整えてクチバシをつけ、そのクチバシが少し下向きになるようハサミでパチンッとカットする。あとは拭き竿から切り取るだけ。特別な装飾や、特別な形を作るために手を加える過程がない。ただ綺麗な色硝子を組み合わせ、手作業のみを素早く積み上げ、小さく単純な鳥を作ったという事なのだ。だから、形は様々で実にバラバラであり、コテの跡だとかハサミの跡だとか、人の手仕事の跡が随所に見える。それらがまとまって、シエッポの魅力なのだから、オイバはどれを見てもいいじゃないかと言うのだろう。そして、これは沢山あるから面白いのだ。沢山作れば作る程に色々なシエッポが生まれるのだから。今回の復刻は昔のバリエーションと手頃な価格を目指し、相当な数量を作る事になってしまったのだけれど、案外良い結果に結びついてしまったのかもしれない。
text:シャチョウ
2015年10月6日
キャンドルホルダーに垂れたロウを取る方法
長時間キャンドルを灯したあと、 思い切り吹き消して、あっ! 移動させようとして、あっ! 飛び散ったり、垂れてしまったロウを スプーンでゴリゴリやる前に、 キズの付かないお手入れ法を試してみてください。
2015年9月15日
1930年代 stool60の、 座面ファブリックを ひっぺがしてみっぺ。
stool60の事なら、なんでも知っている。おそらく日本で一番stool60が分かる人物、「北欧家具 talo」のオーナー、太郎さんが、来スコ。シャチョウが資料として買い集めた、1930年代から第二次世界大戦を経て1970年代までのスツール約170脚を太郎さん&シャチョウの2人で、レッツ年代別グループ分け。太郎さんの知る定説に沿ってグループ分け&時代を解明。これはどうなの?という物が出てきたり、定説自体に疑問を抱くような部分があったようですが、最終的には、解明した!!と言ってました。太郎さん&シャチョウ見解の『stool60の見分け方』、そのうち伝授してくれるはずです。で、その解明がひと段落した後、「後で被せたファブリックを剥がすと当時のオリジナルプロダクトが出てくるんじゃない?」そう思われる座面がファブリックで覆われたスツールを思い切って剥いでみることに。怖いですねぇ~、恐ろしいですねぇ~、1930年代のスツール。今、2015年。
↑ ビリってやってやったぜ?ワイルドだろ?
シャチョウが剥がしているスツールはカバーが2枚かけられていて、出てきた元々のオリジナルは、1930年代の一番レアと言われるサンドイッチ型スツール!!!アアルトの本に出てくる古いスツールはだいたいこの形です。
↑クッション的なブツが入っていたぜぇ。
平山が剥がしているスツールはシャチョウの剥がしたスツールと同じ所有者だったと思われ、同じ布が同じように2枚カバーリングされていましたが、剥がしてみると、、、、残念!サンドイッチではない!薄ら汚れたホワイトペイントでした~。
↑リペアもしてくれた。いい人だぜぇ。
太郎さんは、脚と座面の年代が別々かも。と疑問のあったスツールをネジ穴を外して確認中。ネジ穴を見れば、オリジナルなのか、ニコイチ物件なのかが分かるそうです。なるほどー。
↑ ホコリが出る作業は外でやるのだ。
↑二台目チャレンジ。スーパーコスコス中。
二台目に剥がしてみたスツール、現れた座面は黒。が、水性ペイントされていたのか、拭けば拭くほど、色が落ちる。恐怖。落ちるところまでコスコスしてたら木目が見えてきた!
↑スコープのゆるキャラ
最後に座面の周りに残った釘を釘抜きで抜くシャチョウ。コツを覚えたのか、結構早い。
ファブリックをめくってみると、その時代のローテクノロジーなクッション材と年月相応のホコリと供に本来の姿が見えてきて、感動。吉村作治先生の気持ちも分からんでもない。
神奈川から名古屋くんだりまで来てくれた太郎さんに感謝です。
text:スコープ 酒井
2015年8月30日
ヘイニさんのお宅訪問
アラビアのデザイナー
ヘイニ・リータフフタさんのお宅に訪問。
どこの家へおじゃましても、
どんな時間におじゃましても、
必ずおもてなしのテーブルセットが
用意されているフィンランド。
ヘイニさんのお宅も例外ではなく、
お義母さん手作りのベリージュースと
ヘイニさん手作りのキャロットケーキ。
カステヘルミのボウルにお菓子がいろいろ。
ヘイニさんらしいカラーリングの
テーブルセットで向えてくれました。
普段と変わらないように見せかけて、
自然に心地よい時間を作るのが
客人への思いやりだったりする
お・も・て・な・し。おもてなし。の
日本的表現ももちろん心地良いんだけど、
あなたを待っていましたよ!どや!
という、分かりやすいおもてなしも
時には気分良く、こういうのも嬉しいな。
と、新鮮な気持ちで楽しませてもらいました。
その後は、ヘイニさんのアトリエがある、 アラビアファクトリーに向かう。 緑の住宅地を抜けながら10分くらい。 秋のフィンランドは気持ちええー。
アラビアファクトリー内にある
ヘイニさんのアトリエ。
スコープがお願いしていた
椅子のアートピースが少し出来ていた。
アートピースを同じスタイルで
作っていくのは、苦手だわ~。
と話すヘイニさんに、
え?なになに?同じじゃなくていいよ!
むしろ自由でバラバラで
好きなように作ってもらっていいのに!
そのほうが面白いよ!
と、シャチョウ。
その言葉を聞いたとたん
良かった!イエローとかラスターとかも
使いたかったのよね!
と、ヘイニの顔が
晴れやかになってました。
ヘイニさんらしい色の小さな椅子が
たくさん出来てくるんだろうな。
今から楽しみ。
おまけ
アラビアファクトリーの煙突と比べると
シエッポはこのくらい。
フィンランド出張記
text:スコープ 酒井
2015年8月28日
iittala 2日目。試作が出来上がってきた!
iittala 2日目。今朝も昨日の会議室からスタート。
扉を開けると昨日試作したポムポムベースが!
昨日冷却コーナーへ入っていくポムポムベースを見て、大丈夫?オレンジ色を作ってない?と素人目に心配していた固体も、熱が取れると、鮮やかなパウダーイエローになってました。個人的にすごく惹かれるイエロー、ファンタスティック。
それを見ながら、今、デコレーションの数を揃えようかとか、ブルーの色を変えようかとか、カットは入れない方がいいかとか、オイバに見てもらう前段階の試作を詰めているところです。
それに加えて、ポムポムミルクピッチャー、ポムポムバードも作ったし、フローラのユニークピースも出来上がってきた。いろいろ作りすぎてシャチョウパニック気味。
フローラのユニークピースは、今のサイズラインナップにない19cmボウルの型を使い、 ガラスの色を混ぜてチャレンジ。
上の3つはクリアとカラーガラスのグラデーション。出来上がってみたら想像していたよりグラデーションが分かりにくい印象。
下のフローラは、クリアガラスにカラーガラスのフレークを混ぜたフローラ。オイバの昔の作品 “Tahiti” が元ネタですが、グリーンとイエローがフローラによく合っていてすごく素敵。
シャチョウも「早くオイバに見せたいやー。」とかなり気に入っている様子。
ミーティングがシリアスになるとシャチョウはタヒチフローラを眺めて「これええやー。」と、現実逃避してます。笑
おまけ
iittalaの食堂のkastehelmi17cmプレート30枚と比べるとシエッポはこのくらい。iittalaガラス工場より。
text:スコープ 酒井
2015年8月27日
諸々、諸事情により なんとオイバ不在!
オイバとポムポムベースを試作する。
今回の出張で一番やりたかったこと。
がっ! 諸々、諸事情によりなんとオイバ不在!
シャチョウ焦る。ひゃー。鬼汗。
それでもシャチョウの指示でiittalaの方と職人さんが動いてくれるという奇跡。寝ずに考えたアイデアをiittalaガラス工場の会議室で皆の前で指示スケッチまとめてます。今。
オイバが今日の試作を見たら、「なかなかだな」と言ってくれるよう、実際にオイバポムポムを作る時の参考にしてくれるよう、職人さん達と協力しながらナイスポムポムを試作してきますよ!
今試作をしてくれているのはヌータヤルヴィ時代からのガラス職人「みつるさん」。左のメガネがピカってますが、日本が誇る素晴らしい職人さんです。
朝のミーティングで、シャチョウの希望する形のポムは割れる可能性もある。iittalaの方がそう言っていましたが、ナイスブロワーみつるさんのおかげでいまのところ順調であります。
この後チャレンジするデカポムポムは、更なる破損との戦いになりそうですが、レッツ!チャレンジ!いってみよう!以上、50度くらいありそうな釜付近から、見てるだけの酒井がお伝えしました。シーユーネクスタイム!
text:スコープ 酒井
2015年8月21日
小鳥の宝石箱やぁ~。
今日のスコープは、
シエッポ1,000羽×3色
全羽検品&撮影の
壮絶現場からお伝えします。
壮絶なのは、
検品スタッフと撮影スタッフ。
ひよこ鑑定士も怯む数のシエッポを
一羽一羽手に取り検品。
特記事項をメモ。
シリアルナンバーをチェック。
そして撮影。
最初は、若干暗めの撮影場所での
手彫りのシリアルナンバーの確認に
文字が小さいわ、読み取りにくいわで、
相当な時間がかかったという
撮影スタッフの平山(昭和47年生)も、
1,000羽に近づくにつれて、裏返せば
シリアルナンバーが浮いて見えてくるほど、
ナンバー読み取り機能(だけ)が
進化したと自慢してました。
もう手にする事ができないと思っていた
オイバトイッカのバードの原点”sieppo”が、
一面に並んでいるという、奇跡的な風景。
ひやかしで見に来ただけの私にとっては
これはもう、パワースポットやー。
検品スタッフは目線の高さに並べて
丁寧にチェック。
これが3,000羽続きま~す。
スタッフ熊澤(写真左)に
全羽見ての感想を聞いてみると、
クリア×オレンジとイエロー×アメジストは
だいたい安定した形で、
クリアが一番個性溢れているとのこと。
そうだ、そうだった。
2月にシャチョウが現地で
シエッポ製作に立ち会った時に
「初期衝動型シエッポ」と名づけた
前のめりのシエッポもこの中にあるはずだ。
初期衝動型
iittalaのガラス職人さんにとっても
シエッポを作るのは、ほぼ初めての事。
だから一番最初に作ったクリアには
職人さんのさぐりさぐりな感じが溢れている。
この後に続くシエッポの形は
きっと安定してくるんだろう。
1羽だけ買うとしたら、
理想の形を求めてしまうけれど、
15羽コンプリートするつもりで
シエッポ貯金をしている私にとっては、
試行錯誤感がビシビシ伝わるシエッポも
気になるところ。何羽か群れを作るなら
そんなシエッポが混ざるのも面白い。
クリア選びがキーになりそう。
そんな風に感じました。
以上、現場から、
酒井がお伝えしました。
text:スコープ 酒井
2015年7月9日
傘の撥水加工を甦らせる技をやってみた。
気に入っている傘なのに、何年か使っていると、撥水力がなくなり、生地もダルンダルンになってくる。特に、グシャッてなる折り目部分に至っては、もう弾く気もないらしい。雨、染み込み、傘、重たくなる。無念。寿命か。諦めかけていたところに、アイロンひとつで撥水が復活するという素敵な情報を小耳に挟んだ。インターネットで調べてみたら、もうすでに話題になっている方法みたいで、完全に乗り遅れてる感じもするけれど、まだ乗り遅れている人がいると思うから、われが最初に思いついた人間かのように、ブログに書き留めておきます。なになに?って反応の人は、以下をどうぞ~。
撥水復活☆その方法乾いた状態の傘に、スチーム機能なし・中温でひとコマずつ、裏からアイロンをあてる。※高温や、中温でも長く当て続けると※溶けて破れることもあるので適度にね。※子供の傘など一部分ビニール窓に※なっているものは気をつけて。※当たり前だけど溶けるよ~!やることは、これだけ。ドライヤーの熱を加える方法もあったので試してみたのですが、やめるタイミングが掴めず、そこそこ時間がかかりました。アイロンだと、ついでに折りジワも伸びて新品のような仕上がりになるから、達成感があり、すごく気持ちよい!なぜ撥水が戻るのかを説明しますと、傘の撥水加工に使われている「フッ素樹脂」はミクロの世界でハスの葉のように細かく突起しているのですが、開閉時の摩擦や手の汚れで突起が寝てしまうと、水を弾かなくなるというわけ。それに『熱』をくれてやるとまた突起が起き上がるから、撥水加工が復活する。というわけ。(ネットで調べた情報ですが。)
そして、アフター画像がこちら。↑なんということでしょう。あれほど水を吸い込んでビタビタだった使用歴6年のSENZ折り畳み傘が、水弾き10代(後半くらい)にー。雨粒がコロコロと軽快に転がり落ちていくではないですか。買った時と同じやー!とまでは言いませんが、70%~80%は戻る感覚。新しい傘を買わなくても、防水スプレーを買わなくても、定期的にアイロンをかけるだけで長く良い状態で使えそう。効果が目に見える作業は、なかなか愉快なものなので、思い当たる傘あるある!って人は、是非、試してみてくださーい。
2015年6月5日
スコープオリジナルバード第五弾 KYHJYU(キューヒュー)が出来た日のはなし
新しいアイテムを作るには まず、元となる新しいアイデアが必要で、 そこがとにかく難しい。
ただ、面白い物を作ろう、新しい物を作ろう、 なんてザックリした話では現実、進まない。 絶対にアイデアがいる。
で、僕が思いついたのは、 昔から欲しくて欲しくてたまらないポムポムベースと 大好きなバードを合体させるという方向である。 デザイナーではないからDJ的作業しかできず、 スコープ支持派の皆様には申し訳ない。
僕のイメージでは尾がポムポムしてくれたらいいなと、 そんなイメージからのアイデアだった。 それをオイバの家へ行き、直接伝えると 『では、やってみよう(オイバの言葉)。』 とにかく作ってみる事になった。
これが実に周りを、とにかく驚かせた。 何故かというと、体調を崩し、オイバは一度倒れ、 もう引退だ。が口癖になっていた頃だったから。 もちろん外出も殆どしていないので、工場へなんて とてもとても行っていなかった時だ。
本当は僕がオイバの家を訪れるのもどうか? という話があったんだけれど、 一部の人に僕が行くとオイバがヤル気を出して 元気になるかもしれない。そう考えてくれる人がいて 僕はオイバの家へ行く事になったわけです。
で、実際にヌータヤルヴィへ行く事になって 試作をする事になった。流石に心配だからと 僕らとも仲良くしてくれてるオイバの姉ちゃんも 同行してくれる事で遂に決行となった。
オイバと一緒にヌータヤルヴィガラス工場へ向かう。そして到着するなり、オイバは軽く職人と話す。僕が書いてきたアイデアスケッチ的な紙、そして 多くの人から小さ目がいいと言わていたのでビンテージバードで特に欲しいけど見つからないSuloとSoljaのボディをベースに作りたいと資料を渡してあったから、それをベースに話していた。
で、気付くとオイバがいなくなっている!ドロン!だけど、ここから予想もしなかった流れに!
僕の周りにガラス職人が集まりだしたのである。そして皆が僕からの指示を待っている。さぁ。どう作る?そういわんばかりに待っている。
そうオイバのする仕事を何故か僕がやる事になっているのだ。かなり慌てた。
けれども、一度オイバと試作している経験もあるので、どんな風に進めるのかも大体は理解している。
案外いけるかもしれないと思ってしまった。
自分のイメージを職人に伝えて、バードの本体に尾をポムポムしていく。
だが、やはり、どうにもうまくいかない。思った場所につけてくれなかったり とにかく思うようには出来ていかない。難しい。そして勿論、どれも洒落たバードにはならない。同行したスコープスタッフは凄くイイ!カワイイ! と名太鼓持ちの如く緊張する僕を鼓吹してくれるんだけど、やはり、どこか違うのだ
そうして5種類ぐらい作った所でオイバ登場。僕が作ったバードを見る。「まだまだだな」と一言。当然だ。オイバが僕のアイデアの続きの試作を始めた。
まずできたのは、僕の作った試作を修正したスタイル。オイバもイマイチだったようだ。オイバのも僕のもイマイチ。そもそもアイデアがイマイチなのかもしれない。
そこでオイバは閃いたようだ。職人を呼び集め色々指示をだす。
そして大きく方向を変え、黒いボディーに尾の色目をポムポム化したような新しいバードが生まれた。
僕の考えていたのとは違う新しく綺麗なガラスのコンビネーション
そんなポムポムした尾になった。それは、まるで脚なしキーックリの子供みたい。 子供っていうか青年ぐらいか?
尾がとても特徴的で、実に洒落ている。黒いガラスはあまり好きではないのだけれど、その分、綺麗な尾が強く引き立って見える。
これは素晴らしい!そして新しい!こうして完成したバードを見たオイバも大きく頷きとても満足はしているようだけれども、実はそれでは終わらなかったのだ。
「お前はポムポムが好きなんだろう。だったら、新しいポムポムを作るか。」
そうして僕のノートにデッサンを始めた。この続きは!?その続きの物がフィンランドから出荷された頃に話そうかな。
あっ、最後に。このバードの名前、実に謎に包まれています。 後日オイバに名前を付けて欲しいと伝えると、「キューヒュー」と、オイバの口から ゆっくりと吐き出されてきた名前です。意味を聞いても何も言わない。ただ「キューヒュー」と。フィンランド語でも何語でもないようで、アノーみたいなものなのかもしれない。だが、バードにとても良くマッチした洒落た名前だ。キューヒュー、息を深く吐き出すようにキューヒューだ。
オマケ!次回予告!続きは寒くなる頃かな。
2015年5月5日
一番欲しくて欲しくて たまらないのが、POMPOM VASE
フィンランドを代表するデザイナー
オイバ・トイッカ。御年83歳。
バードにフローラ、カステヘルミと
数々の人気アイテムをデザインし続ける
彼の作品の中で一番欲しくて欲しくて
たまらないのが、POMPOM VASE。
1968年の作品です。
25cm~60cmとかなりの大きさがあり、
どれも一点物として製作された物なので
なかなか、手にする機会がない。
写真はフィンランドの知人宅ですが、
この作品は知人も譲る気、完全にゼロ。
と思ったら先日開催された
オークションに出品されていたので
落札しようと壮絶に燃えたのですが。。。
エスティメイト:2,000ユーロ
落札価格:18,800ユーロ
あかーん。完全に無理です。
オイバのPOMPOM VASE
(スコープでは通称ポムと呼ぶ)
は最高だ。これは本当に洒落ている。
って思うのは僕だけなんだろうか。
text : シャチョウ
2015年4月25日
エーツーでカーエアコンを除菌消臭
家のエアコンフィルターに エーツーするとかなり効くと聞いたので、 ゴールデンウイークに入る前に 車のエアコンフィルターを 是非ともエーツーしておきたいと思った。 ところで、車のエアコンフィルターって どこにあるんだろう。調べてみたら、 助手席の足元の扉を外してぇー、 エバポレーターなるメカを取り出してぇー。 これは素人が出来る範囲の メンテナンスじゃなさそうだ。 そう思って、A2ケアの方に 簡単で超効果的な、 車の除菌消臭方法を教えてもらいました。 それがこちら!
★カーエアコンの除菌消臭方法★
1エンジンをかける。
2車内循環モードでエアコンを「強」。
※ 送風口は「足元」以外を選ぶ。
3助手席の足元(まれに運転席側)に
吸気口があるので、
足元めがけてスプレー。
以上。 何度か噴霧&吸い込みすることで、 フィルターまで行き届き、 除菌消臭に有効というわけです。 エーツーがスーッと吸い込まれていく 様子が目でも確認できます。 走行距離10万キロ超えの私の愛車も 空気クリーンナップ!浄化~。 エアコンの送風口や座席シートに 直接噴霧しておくのも良いそう。 そして、エアコンがくさいのなんの と言っていても、一番汚れていて 菌がいっぱい付着している場所は、 ハンドルとシフトギアという事なので、 ここもお忘れなきよう~。
2015年2月5日
どーしても気になってしまってイッタラ工場へ(シエッポ製作四日目最終日)
さて、帰国の当日、ヘルシンキ経由で
レンタカーを飛ばして空港へいけば
それにて今回の出張は終わりなんだけど
どーしても気になってしまって
イッタラ工場へ寄り道して
午前中はシエッポチェーック!
そして日本へ帰る事にしました。
これにて4日連続イッタラ工場。
それも朝からずっといる(笑)
こんな人は他にいないよねってイッタラ
の人に話したら、まーそうだけど、
デザイナーはみんなこんな感じで、
オイバは君ほど細かくなかったみたいな
言葉が聞こえてきて何か笑えました。
でも、こんな風に物を作るのは面白い。
オイバがどんな風に考えて
どこを大事にしてシエッポを作っていたのか、
それが現場に立って今少しわかった様な気が
しています。実によい勉強になりました。
そしてシエッポがいい感じになった現在は
石本先生と和食器を作る事とか
まだ公開してないコラボネタについての
アイデアが噴出しているから、今は結構
のってて、この調子で2015年を突っ切り
たいなって思ってます。
一応、零細ながら経営者でもありますから、
会社を経営するって事もちゃんと考えない
といけないけど、ちょっと今は物作りに
没頭しすぎる傾向です。
暴走しないようにの注意報発令中。
text:シャチョウ
2015年2月4日
今日はシエッポのできるまで解説しつつ(シエッポ製作三日目)
シエッポ製作三日目。
はい、なんとかうまく行きました。
多分、もう大丈夫です。
本日は、シエッポ製作工程を写真で
流しつつ、一日を振り返りましょう。
アッソーレ、ヨイショっと!
(職人サンA:吹き竿にガラスをとりまーす)
まさか、ここまで
苦労するとは思ってなかったです。
シエッポみたいに職人の手作業、
感覚が突出して完成形に影響する物で
更に古い物なら、研究しまくらないと
うまくいかない。身に染みました。
サンプルがあるぐらいじゃー、無理ね。
(職人さんA:一度形を整えます)
ここまでフリーな手法で作られている
バードも今では少なくて、製作の機会も
少ないというのも今回難関化した
ポイントだとも思います。
スコープオリジナルのラカティに近い
作り方。そして小さいとガラスが
すぐに固まるから、修正も効きにくく
より難しくなるのだそうです。
(職人サンA:型に吹いて一定の大きさに膨らませます)
古いシエッポを作っていた流れや
工程や感覚、型なんかが残っている
わけではないから、昔のまんまには
実物あってもサクッと作れない。
だから、まずは、今の現場で、
昔のシエッポと同じ匂いのするものを
作らないといけない。
それが、まぁ、難しい。
そもそも、昔のシエッポの匂いって
どこにある?って事になるわけですわ。
(職人サンA:背になる部分にハサミをいれる)
古いシエッポ。
わかっているようで
わかってなかったなぁ。
(このハサミいれ作業が重要!尾と頭と体のバランスが大体決まっちゃいます)
紙に書いてまとめて整理して
初めてそこで理解できた感じです。
今後は古い物や生産手法が
特殊な物はその方向で準備します。
(職人サンBに交代:やっとこのような道具で尾を成形します)
でも、まぁ、普段は別注リクエストし
サンプル見て、OKなら進んでいくから
ヴィンテージの現物があれば万全。
それで、何も困る事もないから
こんなことは想定外なのですけれども。
超レアケースです。
(職人サンB:尾を成形するのですが少し細くするといい感じです)
結局、古いシエッポらしさってのは
なんなのか?そこは僕も
職人の皆さんも、イッタラの人も
誰も具体的にはわかってなかった。
実に色々なパターンがありますから。
それはうまくいかないですわね。
(職人サンB;少し吹いて体を膨らませます。)
オイバがイッタラへ来てくれて
うまく指示だししてくれれば
何の苦労もないのだけれど、今は
そうそうイッタラへも来れないし
数日間くるってのは不可能だ。
(職人サンB:尾と頭の形を整えます)
実際、オイバもイッタラへ来るって
いったけど体調の関係かキャンセル
になってしまったし。
(職人サンA:Bが形を整えている間にクチバシのガラスを準備)
昔の物を沢山持っていて
どういう物が古いシエッポなのか?
それを知ってる(であろう)
僕が工場へ行くしかなかったという
のが、この出張の本題です。
(職人サンB:頭にくちばしのガラスをつけましてー)
よくよく考えればビンテージの
サンプルは送ってあって、それから
何度も試作して送ってくれるけど、
全然別物になっていたんだから、
そこで気付かないといけなかったん
ですね。今更ですが。
(職人サンB:ガラスをカット。この時の角度が重要、下へー下へー)
朝早く起きて説明書をかき
職人の方に手伝ってもらい
フィンランド語で説明を加えた。
僕作のシエッポ製作奥義!
超最重要項目1:お腹が横長に四角い感じで膨らむ
最重要項目2:尾は厚さ7mm前後で広がらず長め
重要項目3:頭はまっすぐか前傾
重要項目4:クチバシ大き目、頭の先から少し下で下向き
※もし頭が大きくなったらクチバシも大きく。
※上部のハサミの跡は残っていてOK
この優先順位で作っていけば
多少後半ブレてもシエッポになる。
ビンテージを色々見比べてそう思った。
大事なのは、少しデブである事なんだ。
ついついビンテージと復刻の大きな違い
頭に目が行っちゃうんですけれど。
(職人サンB:火にかけて形を整えます)
そこが抜けていたからボツが増えた。
それは結局、体が膨らみきっていなくて
バランスが悪いからシエッポに見えない。
ある程度体が四角く膨らんでいれば
古いシエッポの雰囲気になってくれる。
(職人サンB:根本をバーナーで熱します)
ここまで来ればスッと理解できるのだけど
なかなか数個シエッポを眺めたぐらいでは
わからないものです。
(職人サンB:竿からシエッポを外しやすいように根元をはさむ)
そして、これならいいやん!
って思った3日目の終わり掛け
フッと気付いてしまった。。。。
(完成です。職人サンAが冷却器へと運びます。)
クチバシがもっと本体にくっ付いた感じに
ならないだろうか?細かなポイントだけど。
現行のバードもそうで、クチバシが本体に
玉のように付いている。本体とクチバシの
間に溝みたいなのがある。
古いシエッポは、それがあまりない。
ベタっとくっ付いている。それできない?
と投げかけ。皆から、またか!!?って
雰囲気が漂う。でも、ここまでくると
皆さん解決しようと努力してくれる。
速攻で修正してくれて、それもなんとか
なったと思います。ガラスの質も昔とは
違うから100%同じにはならないですけど、
これならいいでしょって所まで来ましたよ。
なんとかなんとか。
フィンランドの職人の皆さん、だんだん。
次はデッカイPomPomベースの新色でも
オイバに配色決めて貰って、
試作は僕がしに行こうかな、なーんてねぇ。
ホント、何とかなって良かったですわ。
(オマケ。この職人サンが吹くとなんか変わった形になる。
主に縦長で銅が大きいんだよね。これは結構小さい方。
でも、それがいい感じなんですよね。彼製結構欲しい。)
text:シャチョウ
2015年2月3日
前のめりで下向き
シエッポ。難しすぎる。
その後の更新が途絶えたから
何事もなく無事進んでいると
そう思われていたかもしれないけど、
実は完全にテンパってしまい、
胆力が極端に低い僕は
そこから逃げ出したい
そんな衝動に駆られていました。
あまりのストレスとプレッシャーに
強烈な胃痛と吐気がブッシャー!な程で、
正直二度と経験したくない、悲惨な二日目。
製作の方向的には前のめり下向きの二日目。
僕の姿勢は常に前のめり、
でも結果は超下向きな、そんな酷い二日目。
初日作った物の中から良い物を数個選び、
それを基準にして、実際の生産に入る。
その目論見は見事撃沈!!!!!ヒィイ。
初日良いと思った形も
完全に同じ物はできないから
ある程度そこから幅がある物が
出来あがってくるのですが
初日オッケーした物を基準に作ると
リアルな感じに仕上がってしまう。
頭が完全に存在するアヒル型です。
これはいかん!シエッポではない。
下手するとお土産物みたいに見える。
更に、もう一つ問題が。
完成したシエッポの底面を
カットしてピカっと研磨する
昔の仕上げ方を採用したので
そのカットする位置や角度で、
見え方が全然違ってくる。
そっ、そこまで考えないと
いけないのかぁーまじかぁ。。。。
頭まわってなかった。
そんな事もあって
吹き上がった瞬間の姿と、
冷却と研磨を終え
実際に置いた姿とでは
大部、印象が違ってきます。
シエッポ、難しすぎる。
結局、初日に吹き上がり、
研磨を終えた物の中には
生産の基準とできる形を
見つける事ができなかった。
初日良かったと思った形も
どこか古いシエッポとは違う。
それをどう変えればいいのか?
残りは二日しかない。ここで、もし、
僕がいる間に全てが決着しないと
どうなっちゃうんだろう?
焦り感満載で悩みに悩んだ末に
二日目はこの方向で行こうと決めました。
それは、頭部重視戦法。
頭が後方に反らない。
クチバシは大きく下を向く。
全体的に前のめりなスタイル。
後ろに反るなら前に倒れる。
そうすればきっと古いシエッポらしく
なるはずだ!間違いない!
初日に作った中に
良い雰囲気の物があったから
それをベースに作ろうと決めます。
2000年前後のシエッポは首が長く
少し反り気味でクチバシは上向き、
頭頂についてる印象だったから、
そうならないように
というのが僕の中に強くあり、
特にその方向を意識した戦法です。
でも、この方向修正というのも
職人さんも複数人いて
みんな交代で作っていくから
※45分吹き15分休憩、
※持ち場が替わる人もいる。
一人がいい感じで作れても
皆が作れるわけではないし
うまく作れた人が、
次にうまく作れるとは限らない。
僕がいいと思ってる所と
作り手さんがいいと思ってる所が
一致してないというのもありそう。
だから毎回何かしらズレてしまう。
製作はコンビプレーだから尚更で、
安定して似た物が出来るのには
時間がかかります。とにかく大変で
思うようには変化していかない。
どんどん二日目の生産が進みます。
とにかく頭が後ろに反らない。
クチバシが上を向かない。
前のめりに、下向きに。
カット&研磨の事を心のどこかで気に
しつつも、前のめりでクチバシ下戦法で
完成品を一つ一つ見てチェックして
調整しながら生産を進めていくわけですが、
結果、僕が前のめりと下向きを意識しすぎ
この二日目作りまくったシエッポも
ほぼ全て違う物になっていた。
そして二日目終了。
これはいかん。もう明日しかない。
ただ、この日に作った中から
数十個は少々違ったカッコ良さがあり、
それもシエッポの範囲内にいるから
形を選んで仕入れる事にした。
それがエディションの超前半に入ります。
クリアの1番~50番ぐらい。
勿論他とわけて売ると思うんだけど。
初期衝動型シエッポと名付けた。
これならいいじゃん!って思うかも
しれないけど、これはかなりの数の
中から、いいのだけを選んでますから。
そしていよいよ僕は古いシエッポってのは
どんな物なのか?わからなくなった。
ホテルに日本から持ってきたシエッポが
20個近くあるから、一度それらを分類して
古いシエッポの特徴をしっかりと拾い上げ
それを優先順位つけてマップ化するしかない。
それをやらないと完成しない。
当たり前と言えば当たり前の事なのだけれど
サンプルの古いシエッポがあれば、
そんな感じに出来る物と安直に考えていた、
僕の詰めが甘過ぎたという事です。
そして僕はホテルに帰り
シエッポを並べて分類してある事に気付き
ました。首がまっすぐ、前向きという事も
クチバシが下向きだという事も大事だけど、
なにより大切なのは
体が横長に四角く膨らむ事。そして
尾が7mm前後の厚さで均等に長く伸びる、
ココだって事に。
そして朝4時に目が覚めたので、
皆にわかって貰えるよう優先順位付仕様書を
書き、それを手に3日目に挑むのでした。
正直途方に暮れてはいるけれど、
諦めてはいない。
text:シャチョウ
2015年2月3日
シエッポ復刻!そんな簡単な事ではないわな。人生山あり谷啓だ。がっ、頑張るわぁ。
イッタラでシエッポを作り始めたから
形がこれでOKかどうか?のチェックをしつつ
製作現場を撮影しようとイッタラへ行ったら
ちょっと冷や汗マックスマーラー、
脇汗タランティーノな状況でございました。
会議テーブルの上に30個ぐらいの
クリアシエッポ。横の木箱に更に50個ほど。
さー、この中からOKなのとダメなのとを
わけて欲しい。品質の基準を作ろうと
そう言われたけれど、こっ、これ全ボツ。
僕がOKをだしたサンプルと全く違う(涙)
これ本当に焦ります。
文字でみたらインパクトあんまですが
その現場にいたら本当泣きたくなります。
マジか。。もう作らないで。
他は全部キャンセルします。。。。。。
って諦めたくなる気持ち3000%です。
これを沢山仕入れないといけないのは
辛すぎます。
このままでは完全にダメだという事で
生産現場へ向かうわけですが
その途中、冷却場からは続々とその姿が
異なるシエッポが続々出てきているわけです。
更に生産現場へ行くと
職人さんもガンガン作っている。
ヤバイのがどんどん出来ちゃってるやん。。
それでもうこれはダメだと 撮影は平山君に任せ シエッポを作ってる職人さん衆の横で もっとクチバシは下の方、 頭が上を向いてはダメ、 それだと尻尾が小さすぎる、 首が長いのはダメなんですよー、 と修正箇所を指摘しまくり。
そんな事をずーーーっとやってました。 遂には問題解決方法も考えてみて 首と尾を分けるハサミを入れる位置をずらし、 尾の配分を多くしようとか、
ガラスの量を増やして欲しいとか、 尾は思い切って大き目に挟んだ方がいいとか、
もう完全にヤバイと思ったから、職人さんは リスペクトしてますが、気遣い無し方向で、 素人が偉そうにも意見と指示をだしまくりです。
その結果、職人さんも積極的に協力してくれたので 最終的にはモーマンタイな所まで到達できました。 本当に良かった。
結局、技術がどうとかではなく
みんなシエッポのファーストモデルなんて
吹いた事ないし、ビンテージコレクター
でもないから、元の形をよく知らないという
そういう事なのです。サンプルにビンテージ
を送ってあったけれど、それが現場に常に
なかったのも痛かった。
今後は遠い昔の物を再生産するときには
僕もサンプル作りに立ち会った方がいい
という事に。オイバがバリバリ元気なら
サクッとオイバ指示で完成なんだけどなぁ。
って、オイバの立ち位置の事を
若干やっているような気がしてきてます。
オイバが前に
『お前は、もう少し早く
俺の所へ来るべきだったな。』
って言ってくれたんだけど
こういう事だったのか。なんて。
まぁ、でも、結果、
今日まで作ったのはボツとして頂き、
今日僕が入って修正した時の物で
OKラインを作り、明日から正式に生産と
そういう事となりました。朝6時から始まる
という事なので、僕も朝5時50分には現場へ
行き、明日も明後日も細々チェックを
続けようと思います。
明日は5時起きやー。
そして明日はオイバもやってくる。
そしたら新たな物の試作やー。
それが終わったらホテルに戻って撮影やー。
最後は一日の締めくくりでブログやー。
死ぬなぁー。
でも、まぁ、ボツにした形で全てが納品されたら、
僕はイッタラへの別注を諦めたかもしれないから
早くきて修正できて良かった。
ほんとーに良かった。
text:シャチョウ
2015年1月31日
2015年スコープ最大企画 シエッポ復刻! しちゃうよしちゃうよ。
えーっと、突然ですが
シエッポを復刻します。
そんでもって、シエッポは布で包まれ
皆様のお手元に届く予定ですが
その布は石本藤雄先生が新たにデザイン
してくれます。というかしてくれました。
僕はシエッポを復刻したかった。
そしてオイバと石本先生はとても仲良く
されていて、よく二人並んでいる。
そんな光景が僕の頭によく浮かびます。
それらが混ざり2015年スコープ最大企画
シエッポ復刻が組みあがっていきます。
シエッポ復刻が大体決まり、その発売時
に、何か特別な事をできないだろうか?
そんな事を考え続けていた2014年12月の
ヘルシンキ出張中に、あっ!と閃きました。
復刻するシエッポをフローラのように
布で包もう、その布を石本先生にデザイン
して貰おう。そうキラッときたわけです。
まぁ、これは途方もなく無茶な発案でして
無理過ぎて誰も思い付きもしない。
でも、僕は絶対に実現させたかったから、
まずオイバに話してみた。
で、これがオイバの反応。
『それができたら素晴らしいが
フイ(石本先生の事)はテキスタイル
のデザインは、もうしないだろう。』
よくよく考えればマリメッコでの仕事が
終わってから、布の仕事をしていない
石本先生ですから、そんなのは所詮無理
な話というわけです。
それでも、まぁ、言ってみようと
その日の夜にオイバと石本先生、そして
イッタラの人々と大勢で夕食に行く機会
があったので、話してみました、すると。
『デザインするのは凄い力がいるんです。
これで正月休みがなくなりましたね。』
えっ?やってくれるって事?
サクッと一発返事でお受け頂きました。
凄い流れだなって我ながら思います。
流石のオイバも少し驚いてました。
『フイがやるのか?ブラボー!』
という事で、スコープはSieppoを復刻し
そのSieppoはは石本先生が新たにデザインした
布に包まれまして、皆様のお手元に届く事と
なりました。
2015年スコープ最大企画 シエッポ復刻!
以下の写真に写ってる3人でお届けします。
あっ、僕は余計か。シャシャリでないで
脂肪の断捨離しろって感じですね。謝。
さて、シエッポの事も少し話します。
オイバ・トイッカのバードといえば
その始まりはSIEPPOです。
それはどうやって生まれてきたのか?
そんな事をオイバに聞いてみた所、
それは、そうだな、パァーっと出てきたんだ。
と言ってました。予想通りのお返事です。
そのシエッポをもう一度作りたい。
というのが僕の中にずっとありまして
それがようやく実現というわけです。
ビンテージはなかなか見つからないし
高いし誰もが手にできる状況ではない。
でも皆欲しい。シエッポ作って下さい!
それは皆さんから頂く最多リクエスト。
だからやろうと、それだけの事です。
でもどうせやるのなら徹底的に行こう。
僕が作りたいのは2000年前後に
再生産された綺麗に形の揃った
少し大きなSieppoではなく
(オイバのバード本のSieppoはこの新物)
個性豊かな形をした小さなシエッポ。
それも裏面は綺麗に研磨されていて
サインも手彫りでという
まさに1972年から1978年に生産された
発売当初のシエッポが理想です。
凄い個体差になるから
どう売るのか?今から頭が痛い所ですが
とりあえずは、その事は忘れておきます。
進まなくなっちゃうから。
シエッポを今作るってだけでも大変な事
ではありますが、更にその形や加工まで細かな
希望だらけだから、不可能な領域だと思って
いたのですが、色々な好材料が重なりまして
いよいよ本格的に実現とあいなりました。
ただ、当時の色が全て使える訳ではない
ので、オイバのご助言を仰ぎながら
近い色を組み合わせてます。中には
新しい色もありバリエーションに富みます。
結局ですね、ファーストプラン13色でした
が、オイバと話していく中で2色追加の
15色バリエーション作りたくなってます。
それはこれからまたイッタラに話さないと
いけないのでうが、月曜に話します。
まぁ、途方もない事になってきてますが
イッタラと直で取引する事になった
身軽なスコープの挨拶的新企画という事で、
今後もスコープをご贔屓にして頂けますと
僕らも新しい事にチャレンジできますから、
なによりどこより
イッタラとアラビアはスコープで!!!!
と皆様のご支援を心からお願い致します。
どうかーどうかー。
そして今回復刻するのは脚無しのみ。
これがうまく行ったら脚付きに突入します。
text:シャチョウ
2015年1月30日
遂に石本藤雄大先生もスコープとタッグでポン!やったでポン!ポポンのポン!
なんとなく、これからパラティッシの
オーバルが更にアーチーチーだと思うので
他のオーバルも再度揃えて使ってみようと
思い立ちまして、いざ探してると
ボウルが見つからない。んなもんですわな。
プレートは21cmと23cmと見つかったんです
けどね。まぁ、よく考えればビンテージ
っていうのも無限ではないから
あの時あったのに、と言っても仕方ない。
次あるかなんてわかんない。それってのは
現行品も同じか。僕も、あー、これー、
前に在庫余るぐらいあったのになぁー、
もっと仕入て持ってればよかったとか。
ボットナとかそんな風に思いますもん。
そもそもパラティッシのビンテージ
オーバルのボウル、持ってたんだけど
オーバルプレート25cmを復刻しまして、
やりきった感があり美術館にまとめて売り
残りはフリマで売っちゃったんですよね。
そういうのいかんなぁー。気をつけよ。
でもフリマでネタなしになるから
出しちゃうんだよね。いかんいかん。
あー流石に僕のビンテージ運も尽きたか?
と思いきや別の企画用にと探していた
オイバのビンテージ群をゴッソリと
見つけてしまった。
知人にオイバの有名なコレクターがいて、
その人に電話し当日アポで会ってみたら
丁度引越しのタイミングで費用もかさん
でるからコレクションを売りたいと。
マジか!と欲しい物をゴッソリゲッツ!
ゲッツリストは此方。
Puteli (1975-1977) *21
Elephant (1964-1965) S*1 L*1
Frutta (1972) Pitcher*1 Tumbler*6
VASE N408 (1965-1968) L*2 S*2
VASE N409 (1965-1967) *1
Tahiti (1977-1979) *1
Aino Aalto Tumblere (1932) *2
A4 (1980年後半-1990年前半) L*2
ElephantとかMだけ持ってるんですよね。
奇跡的にコンプリート。Puteliも
ひょっとしたら25個ぐらいあるかもと
いう事なので、僕のコレクションと
合わせると40個近くになるから嬉しい。
あとN409!これは嬉しいなぁ、初です。
よくよく考えるとスツール60も
バードもタイミングよくゴッソリ手に
入った所から、新しい企画が生まれ
そこから始まってきたから、
今回も何かの予兆かも!いい兆しです。
その後は石本藤雄大先生宅へ。
石本先生にもスコープの仕事をうけて
貰いたくて、前回フィンランドへ来た時に
思い切ってリクエストしたんですわ。
布の仕事だったから断られるだろーなって
思ったら、なんと快諾。まじか!です。
そして今回が初打ち合わせでしたが
もうできてました。ありがたやぁー。
流石石本大先生!それも僕好み。
今回の企画にもバッチリです。
まぁーどんな内容かは追々わかると思い ますが、僕の考えたオイバと石本先生の ゴールデンコンビ企画とでもいいますか。 キャプテン翼と岬君みたいなんですわ。 まぁ、無茶な発想だなと、我ながら 思ってますけど実現すると思いますから ご期待を。へヘイのヘイです。
で、その僕らのお願いした布用に いくつか色々と描いててくれたんですね。 それらを見てたら、僕は布もいいけれど 今もっとも頭の中を占拠している和食器 の絵付け方向が燃えあがってしまった。
石本先生となら凄い和食器を作れる! 100年後にも価値を失わないようなのが。 帰国したら早速!東屋さんへ行き話そう と思っております。まずは長角皿と 正角皿の絵付けをしたいんですよね。 さーどう絵付けするか?そのアイデアは 平井担当って事なので古物をじっくりと 研究した上で、新しいのを考えます! 超ヤル気出てきてますから。 やるよ!石本先生!3月ぐらいには 次回、和食器ミーティングをしたいと そう思っております。はい。やる!!!
話はまた戻りまして 今回の企画は1970年代を舞台にーって 復刻といいますかですから、 当時のポスターを石本先生が見せてくれました。 オイバ作!洒落てます。持ち逃げしたい。 って今持ってるんですけどね。パクったわけでは なくお借りしただけですが。
これは晩御飯を食べて帰る途中に 石本先生が教えてくれた ヘルシンキの小学校です。 家具にアルテックが使われてます。 日本の小学校の家具もいいんですけどね。 お家の家具と学校の家具が同じってのは 子供的にどう思うんだろうな。 僕は洒落てていいなーって思いますけど。
全く関係ないんだけどFAZERです。
このロゴをみると、なんかシュワちゃんを
思い出すんですよねー。なんでだかー。
text:シャチョウ
2015年1月29日
今を生きる、思いっきり、そうするわさー。
ヘルシンキに来ております。
2014年はスコープのメインといえる
イッタラ・アラビアのアイテムを
うまく仕入れる事ができない状況となり
入荷が大幅に遅れる事が多発しまして、
大変ご迷惑をお掛けしました。
で、色々ありました。が、その辺はまぁ
割愛しまして、今後はこうなります。
《イッタラから直接輸入》
だから、初夏とか、それぐらい?
初直入荷する予定なので、どうぞどうぞ。
その一部を今回の出張中にチラリとでも
お見せできると思いますから
そちらはどうかお楽しみに。
とはいえ、主だった発注はこれから(焦)
今後どういったラインナップをゴールに
見据え、数年の発注を組み上げていこうか、
そんな事を今更ですが考え込んでいます。
ウェイトレスさん呼んじゃって
注文とってるんだけど
まだ実はオーダー決まってない的な
焦りが猛烈にあります。はい。
最初のドリンクすら決まってない。
あー、まず、そこだけ頼んで逃げる?
いやいや、いかんいかん。
で、今のアイデアは
定番アイテムにはあまり手を出さず、
別注中心のスコープ独自ラインナップを
組んでみようかなぁって方を向いてます。
折角の機会ですし、どうせなら、ねぇ。
日本代理店、並行輸入もあるから
僕らが同じ事しても意味ないし。
他とは違う事せんば!価値なか!!
ただ、その方向は面白いんだけど
規模がかなり大きくなるから少々恐怖。
面白いんだけど、ビビってます。
ビビる大木の痩せ具合みたいな、です。
最近なんだか胃が痛いモン。
僕は経営者としては多分アホなんです。
面白い方へひたすら発想するから、
規模がどんどん大きくなっていきます。
よく、そんなに売れます?
って言われるんですけど、
それぐらいオーダーしないと
良い値段で販売できないし、
そもそも作って貰えないから
仕方ないんですよねぇ。
売れるかどうかなんて、
やってみなきゃ、わからんわさ。
もし売れなかったらどうするんです?
売れんかったら責任とって切腹だわさ。
売れんかったら何とかするしかないわさ。
明るい未来だけを見てるから。
今を生きる、思いっきり、そうするわさー。
まぁ、どこまでやれるかどうかですが
思いっきりやりはしますので
イッタラ・アラビアに関しましても
スコープでってのは忘れないでおくんなまし。
今はバンドの充電期間みたいなもんだと
思ってて下さいー。頑張るでさ。
クラウスがヌータヤルヴィで製作した
アートワークス。一点物ばかりですが
残りはあとこの3体でした。
とはいえ、一つ5,000ユーロ越えだから
流石に手がでないわなぁ。でんなぁ。
でも年末に来た時にはもう少しあった。
いくつか売れてるんですよね。凄いね。
でも、まぁ、オイバの展示会が昨年末に
ヘルシンキで開催されてたわけですが
その時のガラスのオブジェはどれも
40000ユーロ平均ぐらいだったから
クラウスのアートワークスも可愛く見えます。
って上を見るときりがないので、僕的には
30個~100個限定ぐらいで、いい価格な
アートピースを作れたらなとかそんな風に
思ってます。まぁ、自分で手が出せるレベルで
ないとあかんかなーっていうリア充思考で。
ヘルシンキといえばロバーツコーヒー
ですが、スターバックスあらわる。
でも家具はフィンランドならでは!
緑色に染められた皮張り
ドムスラウンジチェア、洒落ています。
そして更に凄いなと思ったのは
写真だと色がよくわからないのですが、
スツール60も緑にペイントされてるんです。
それも、かなり使い込まれた味わいが。。。
オープンしてそんな経ってないと思うから
完全にビンテージをグリーンでリペイント
している。スタバでビンテージ。洒落てる。
明日は石本藤雄大先生のお宅へ行ってきます。
一つ仕事をお願いしてるのでその打ち合わせに。
でも他にも頼みたいことが噴出してきてます。
先生の花の陶板作品、あの図案をうまいこと、
和食器に展開できたら洒落てるだろうなって
一人勝手に妄想してます。これは
まだ、誰にも話してない事なんですけどね。
では、また明日頑張るかなー。
日本では朝5時、フィンランドでは夜10時。
色々書いたら少しスッキリしました。
text:シャチョウ